外国人材が長く働きたい会社とは?企業に求められる環境づくりと制度の活用
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日立製作所は2009年の経営危機を踏まえカルチャー変革に取り組んできました。
日本人従業員に対し段階的にジョブ型人財マネジメントを適用、日立カルチャーの浸透と組織のダイバーシティ向上に取組み、経営戦略と人事戦略の連動を加速させています。
本記事では、同社が取り組む改革とその戦略について具体例を交えてご紹介します。
人事部や海外事業部の方は、参考記事としてお役立てください。
①国内市場からグローバル市場へと事業を移行してきた日立製作所、2008年度決算で当時製造業として最大の7873億円の赤字を計上したことを機に経営戦略と人財戦略の改革を推進してきました。人材戦略においては、まず、創業精神の「和」「誠」「開拓者精神」に成長マインドセット、スピード、アジリティなどを加えより分かりやすいものへと改めました。さらにタウンホールミーティング、取り組みを表彰するアワード、ビジネスコンテストなどの施策を実施、組織文化はこうした取り組みを通じてつくられると考えています。併せて、多様なルーツの人財がオープンに議論できるようミーティング等の進行についてのガイドラインを作成しました。
画像引用:Human capital online
②現在日立グループ全体32万人のうち外国人は19万人、うち女性は20%です。さらなる組織の多様性向上を目指し、新たにイタリア人女性がDEIの責任者に就任しました。DEIのテーマは3つあり「ジェンダー多様性」「文化的多様性」「世代の多様性」です。これらを実現するため、リーダーによるコミットメント、企業文化、採用活動、リテンション、昇進という5つの柱に沿った活動を進めています。その結果2012年時点では日本人男性のみで構成されていた役員層は、2023年には外国人20%、女性が11%を占めるまでになりました。現在は2030年度に外国人、女性比率共に30%を目指しています。
③同社ではジョブ型人財マネジメントの導入によるエイジダイバーシティを進めています。全職種・階層別に450種類の標準ジョブディスクリプションの作成しました。また雇用上限年齢を段階的に65歳から70歳へ上げる予定です。ジョブ型の推進により一定程度の離職が想定されるため、有能な人材の流出を防ぐために重要となるマネージャーの支援に研修等を通じて注力、さらに再就職のためにアルムナイ ネットワークが準備されています。多くの社員がジョブ型の必要性を理解していても具体的に行動出来ていません。リスキルに動くための橋渡しこそが会社の役割であると同社は考えます。勤勉な社員が多く離職率の低い日本企業においてその従業員の能力を最大限に引き出すことが今後生き残るために必要不可欠です。ジョブ型人財マネジメント、エイジダイバーシティはすべての日本企業にとって重要な課題であると言えるでしょう。
画像引用:Human capital online
配信元:Human capital online
公開日:2023/11/21
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