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人材に関する取り組みは人事部の仕事?企業がサポートすべき「人間のサステナビリティ」とは

紹介

近年、温室効果ガス削減や気候変動リスクの緩和などサステナビリティに取り組む企業が増えています。
そしてサステナビリティの概念を拡張し、人材を地球環境と同じく重要な存在であると考える「人間のサステナビリティ」が注目を集めています。

本記事では、企業が「人間のサステナビリティ」を人材関連施策に取り入れる上で重要となるポイントについてご紹介します。

人事部や海外事業部の方は、参考記事としてお役立てください。

ポイント

①近年多くの企業は、サステナビリティの取り組みに力を入れています。長年に渡り働き手のウェルビーイングの改善に力を注ぎ、関連する新しい法制度も導入されたEUで今求められているのは「人間のサステナビリティ」です。これは企業の人的資本関連の慣行に総合的にアプローチするもので、ダイバーシティとインクルージョン、ウェルビーイング、職場の安全性、賃金の公平性などのあらゆるテーマが含まれます。この考え方のもとでは、人的資本に関する問題は企業の最高幹部レベルの課題として取り扱われるべき事項であり、人材に関する取り組みは人事部だけに関わる問題ではありません。

②ビール大手のハイネケンは働いている契約社員すべてについて、人権、賃金の公平性、さらには生活条件に関する数値指標を作成しました。ソフトウェア大手のSAPは、賃金区分を公表、ダイバーシティ採用、幹部職への女性の登用を進めています。金融サービス企業のリバティ・ミューチュアルでは、「人間のサステナビリティ」 を、気候変動が加速するなかで顧客と取引先と従業員のグローバルなリスクを抑制する要因と位置づけています。これらの企業はいずれも人的資本への投資をサステナビリティの文脈に位置づけ、非常に重要な課題として認識しています。

③では企業が「人間のサステナビリティ」を採用するにはどこから手をつければよいのでしょうか。ここでまず必要とされるのは、自社の人事部門とESG部門を連携させ、「人間のサステナビリティ」に関する指標と戦略をビジネス上の目標に取り込むことです。各部門のトップを集めたチームをつくり、「人間のサステナビリティ」関連のプログラムを設計、その目標を年次報告書などのステークホルダー向けのメッセージにも記し、自社の戦略の中核的要素と位置づけることが重要になります。近い将来、企業のウェルビーイング関連の取り組みの達成度は会社全体の評価の重要指標となるでしょう。これまで別々のものとして扱われてきたDEIとパーパス、そして人材開発関連の取り組みを、「長い目で見た自社のサステナビリティ」というくくりのもとで統合することが重要なのです。

配信元:Harvard Business Review
公開日:2023/11/16

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