
第一三共、新人事制度でグローバル人材マネジメントを強化
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グローバル人材育成に積極的な企業の事例をご紹介
外食産業大手のすかいらーくホールディングスは、人的資本への戦略的投資を通じ、成長と収益力強化を実現しています。
同社は全国約3,000店舗の運営を支える人材確保と育成を最重要課題に位置づけ、従業員満足度を出発点にした好循環を確立しています。
本記事では、同社の取り組みをご紹介します。
企業の人的資本投資におけるヒントとしてお役立てください。
すかいらーくHDは、接客サービスの質向上と顧客体験価値の向上を目的に、店舗マネジャーやクルーの採用・育成を強化しています。
とくに店舗マネジャー職は30~50名のクルーを統括し、売上やCS(顧客満足度)に直結する重要職種です。
同社では「マネジャーステップアッププログラム(MSP)」という体系的な研修を導入し、2~3年で昇格可能な仕組みを整備。
さらに評価制度の見直しにより、業績だけでなくNPS(顧客推奨度)に基づくCS重視の評価指標を導入し、現場の接客向上を促しています。
これにより店舗現場のモチベーション向上と成果創出を両立しています。
労働力不足やサービス品質向上に対応するため、店舗DXを積極的に進めています。
ネコ型配膳ロボットやセルフレジの導入により、店舗クルーが接客や清掃など顧客と直接関わる業務に注力できます。
特にDX人材の育成では、単にデジタルの専門スキル修得だけではなく、店舗オペレーションへの理解度向上も重視し、現場の課題をあらゆる視点から考える力を重視しています。
現場に即したDX推進により、効率化と顧客体験の質の両立を実現しています。
同社はタレントマネジメントシステムを活用し、従業員のスキル・評価・異動履歴を一元管理することで、より効果的な従業員の育成と配置を実現しています。
2025年4月には新人事制度を改定し、役職で給与の上限を設ける従来の制度を撤廃したほか、専門職を目指すエキスパートのキャリアを設け、一人ひとりの能力を最大化しています。
さらに外国籍や高齢者など多様な人材の活躍を支援する環境整備も進めています。
配膳ロボットやセルフレジにより、日本語の複雑なやり取りや重労働を軽減し、多様な人材が働きやすい環境が舗クルーの採用・定着につながっています。
すかいらーくHDの事例は、従業員満足と顧客満足を好循環で結びつける人的資本投資の好例です。
戦略的な人的資本投資は、企業価値の持続的向上と競争力強化の鍵であり、他企業にとっても参考となるでしょう。
配信元:三菱総合研究所
公開日:2025/05/26
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