ChatGPTに見る生成AIの活用と人的資本経営の未来

紹介

米OpenAI社が提供する生成AI「ChatGPT」の利用が急速に広まっています。

当記事ではChatGPTに必要なスキルと人事業務における活用法について、SIGNATE代表取締役社長CEOの齊藤秀氏が解説します。

人事部や海外事業部の方は、グローバル人材育成の施策策定等の参考記事としてお役立てください。

ポイント

①ChatGPTは様々な問いにインタラクティブな回答が可能であり、その能力は平均的な人間の知識レベルを超えつつあり、ビジネスにおいてあらゆる場面での活用が期待されています。教育現場においては「自分で考えなくなる」という懸念がありますが、ChatGPTを着想の「壁打ち」としてとらえ補助的に利用することで、その回答から得た新たな着眼点を通じて自らの考えを深めることが可能です。

②ChatGPTなどの生成AIの活用が進むにつれて、分野にかかわらず「作業」は「仕事」ではなくなり、作業時間の削減により捻出された時間を新たな価値を生み出すために活用する事が求められます。つまり生成AIを使う側の目的設計能力、創造性、独自性が重要となり、今後既存の職業における生成AI活用スキルの有無が人材育成や採用にも影響してくると考えられます。

③生成AIの人事業務への影響については、事務処理的な作業においてはChatGPTによる効率化が期待できる一方で、重大な意思決定をAIのみに任せるべきではないという考えから採用業務への影響は小さいと考えられています。今後の人事業務は生成AIを人的資本をバリューアップするツールと捉え、ChatGPTの活用を通じたリスキングや働き方改革進める等、まさに人的資本向上戦略を考える役割を担う事が求められます。