グローバル人材育成ニュース

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2023.03.20

オムロン株式会社~人的資本経営の実践事例~

 

紹介

オムロンでは、「①グローバル全社で企業理念の実践の拡大」、「②グローバルリーダーの育成と登用」、「③多様で多才な人財の活躍支援」の3つの柱を軸とし、様々な施策を連動させることで、グローバルで持続的成長をするための組織風土づくりを行っています。

本記事では、具体的な施策も交えながら、同社が実施する人的資本のポイントについて詳しく紹介していきます。

要旨

オムロン株式会社

京都府 :1933年創業
製造業 :制御機器事業、ヘルスケア事業、社会システム事業、電子部品事業

同社における人的資本経営実現のポイント

①企業理念に基づき社員が自ら目標を立て、取組を実践し、共有する過程を通じて、理念の浸透を企図している。

②グローバルリーダーの登用、コアポジションの現地化を戦略として定義し、それぞれの取組で明確なKPIを設定している。

③持続的成長を支える多様・多才な人財の活躍を支援すべく、重視するエンゲージメント項目に基づいて課題を整理し、人財の能力・経験・志向を見える化する情報インフラを整備している。

社員自ら目標を立てる(旗を立てる)過程で、企業理念を浸透

◎社員が考え、動くことで企業理念を体現

企業理念を軸に事業を通じて社会的課題を解決することで、より良い社会を作ることを目指して、TOGA(The OMRON Global Awards)を実施している。
企業理念実践の物語をグローバル全社で社員が共有し合うことで、オムロンの強みの源泉である企業理念を全社員に浸透させ、共感と共鳴の輪の拡大を促進している。

グローバルリーダーの人財育成、現地化を人財戦略として位置付け

◎グローバルコアポジションを担う経営人財の育成

企業理念を体現し、組織を牽引するグローバルリーダーを育成している。最重要執行ポジションとして「グローバルコアポジション」を約200設定し、適切な人財を発掘し、配置・育成を行っている。コア人財に対して、3つの能力と経験を共通して求められる要件として定めている。

◎KPIとしての現地化比率

将来コアポジションを担うにふさわしい人財を発掘し、サクセッサーや次世代リーダー人財として育成する仕組みを運用することで、パイプラインを充足している。また、海外のコアポジションに占める現地化比率の向上に注力し、現地の感覚に基づく迅速な意思決定がこれまで以上に行えるような状態を企図している。

持続的成長を支える多様・多才な人財を支援するインフラを整備

◎持続的な成長につながるエンゲージメント項目の特定、課題の把握

業績成長と企業の魅力度との相関が統計的に検証されている、「持続可能なエンゲージメント指標」(SEI※)を活用している。

経営チームは、集計分析された各スコアをモニタリングするとともに、社員の生の声である「フリーコメント」を活用し、経営課題を把握している。
※ SEI : Sustainable Engagement Index

◎人事情報システムで人財を見える化

企業理念の実践に取り組むチームをつくり上げるために、社員の能力、経験、志向を見える化したシステムを整備している。この見える化により、社員の成長実感・充実と適材配置の両立を目指している。

◎人的資本経営のポイント(オムロン株式会社コメント)

私たちは、イノベーションを生み出し、事業を通じて社会的課題を解決していくためには、多様な個性やスキル、経験をもった人財が、活力に満ち溢れ、ポテンシャルを最大限に発揮することが重要だと考えています。

その戦略の柱が、企業理念の実践に対する共感・共鳴の輪を広げ、新たな理念実践を促す「企業理念の実践の拡大」、自ら理念を体現しチームを牽引する「リーダーの育成と登用」、グローバルに多様な人財がより高い意欲をもって企業理念の実践に取り組める環境を作る「多様で多才な人財の活躍」です。

私たちは、これら3つの柱を軸に様々な施策を連動させることで、社員が自らの仕事に誇りとやりがいを持って取り組み、高いパフォーマンスを発揮し続けられる組織風土づくりに注力しています。

(冨田 雅彦氏/オムロン株式会社 執行役員常務 グローバル人財総務本部長)

引用:人的資本経営の実現に向けた検討会~人材版伊藤レポート2.0~報告書実践事例集(経済産業省)

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