グローバル人材育成ニュース

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東京海上ホールディングス株式会社~人的資本経営の実践事例~

 

紹介

東京海上ホールディングスでは、グローバル経営人材を育成するための人事制度を導入しているほか、積極的なグローバル展開を支える人材の多様性を経営戦略として重視し、「ダイバーシティの推進を担うCDIOの設置」や「女性役員比率3割を目指す30% Club Japanへの参加表明」等にも取り組んでいます。

本記事では、同社がグローバルでさらに発展するために取組む「グローバル経営人材の育成」及び「ダイバーシティ推進」「パーパス浸透」の3点について、事例を交えながら詳しく紹介していきます。

要旨

東京海上ホールディングス株式会社

東京都 :1879年創業
金融・保険業 :グループ保険会社等の経営管理等

同社における人的資本経営実現のポイント

①トップタレントの獲得やグローバル経営人材の育成を目的とした人事制度を導入した。幅広い世代向けに経営人材育成プログラムを実施し、将来の経営リーダーを拡充してきた。

②グローバル展開を支える人材の多様性を経営戦略と捉え、ダイバーシティ推進の責任者としてChief Diversity& Inclusion Officer を設置し、2030年までに女性管理職比率30%を達成することを目標に据えた。

③多様性が増すほどパーパスの重要性を強く認識し、パーパスの浸透に向けて、まじめな話を気楽にする対話の場(「マジきら会」)を設置している。

戦略的な人事制度による人材ポートフォリオ最適化、経営人材育成

◎最適な人材ポートフォリオを追求する人事制度

ホールディングス会社においてトップタレントの獲得やグローバル経営人材の育成を目的とした人事制度を導入した。

年齢や在籍年数にかかわらず、グループ全体をマネジメントする部門の管理職へ能力のある人材を配置することでスピード感のある人材育成を狙っている。専門性を軸に能力発揮や業績を適切に反映する評価体系や、市場競争力のある報酬水準を定めることで、中長期的なキャリア形成を可能としている。

◎経営陣レベルでの人材要件の明確化

各CxOに必要な能力の要件や望ましい業務経験を定め、役員間で共有している。

◎幅広い世代での経営人材育成プログラムの実施

グループのシニアリーダー層向けに、「Global Executive Program」を実施している。

参加者間での強固な信頼関係、グループ視点でのマインド醸成やグループ横断でのシナジー拡大を狙う。

また、海外ミドル層の社員が東北の被災地訪問等を通じて保険の意義や“Good Company”の意味を体感する「Middle Global Leadership Development Program」や、国内の中堅リーダークラスが新規事業を考案するプロセスを体感する「経営塾」、国内の若手リーダークラスがグローバルリーダーシップを徹底的に鍛える「経営スクール」等、幅広い階層で選抜型の研修を行っている。

責任者と目標が明確なダイバーシティ推進

◎ダイバーシティ推進に対するトップのコミットメントとKPI化

積極的なグローバル展開を支える人材の多様性を、経営戦略として重視しており、 “30% Club Japan” に賛同を表明するとともに、2030年に女性管理職比率が30%以上となることを目指している。

◎責任者としてCDIOを設置

2021 年 4 月 に CDIO ( Chief Diversity & InclusionOfficer)を設置し、Diversity Councilを設立した。Diversity Council はCEOが議長を務め、多様性を推進するためのグループ全体の協議体である。

◎生産性の高い多様な働き方の推進

勤務時間帯を枠内で自由に選択できる「スーパーマイセレクト制度」、全国の社員が各地での業務と本店コーポレート部門のプロジェクト業務を兼務する「プロジェクトリクエスト制度」を導入している。場所や時間の制約にとらわれず、多様な人材が活躍できるよう配慮している。

多様性を活かす基盤としてのパーパス浸透に向けた対話

◎パーパス浸透のための「マジきら会」

国内外に4万人以上の多様な社員がいる中で、あらゆる階層、社員間でのコミュニケーションを促し、全社員共通のパーパスを浸透させるため、まじめな話を気楽にする対話の場(「マジきら会」)を設置している。

◎経営層のコミットメント

グループカルチャー総括(CCO)も務めるCEOがグループの先頭に立ち、世界中の社員へのカルチャー浸透を先導している。「カルチャー&バリューサーベイ」のスコアは良好かつ改善傾向である。

◎人的資本経営のポイント(東京海上ホールディングス社コメント)

私はCHROとして、国内外を問わず、多様な人材の採用や計画的な育成、それらを支える仕組みの整備に特に力を入れて取り組んでいます。多様な価値観や柔軟な働き方を支え、社員の新たな挑戦を後押ししながら、当社が持続的に成長していくためには、人事制度・運用の見直しや、リモート環境の一層の整備が必要不可欠です。

場所や時間の制約を極力取り払いながら社員の発意を支え、育児や介護などを抱える社員も一層いきいきと活躍できる環境を整備することで、社員と会社の双方の持続的成長を目指します。

(北澤 健一氏/東京海上ホールディングス株式会社 常務執行役員 グループ人事統括)

引用:人的資本経営の実現に向けた検討会~人材版伊藤レポート2.0~報告書実践事例集(経済産業省)

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