グローバル人材育成ニュース

海外売上高比率の企業や
グローバル人材育成に積極的な企業の事例をご紹介

カルビーが独自の「人的資本インデックス」開示。人的資本の可視化で経営戦略と連動

紹介

サステナビリティ情報開示の強化が進むなか、カルビー株式会社は、2025年3月期の有価証券報告書において、独自の「人的資本インデックス」を設定し、人的資本の可視化と価値創造への取り組みを示しました。

人的資本が企業の持続的成長に不可欠な要素であることが再認識される中、その先進的な取り組みに注目が集まっています。

本記事では、同社の取り組みをご紹介します。
企業の人的資本投資におけるヒントとしてお役立てください。

ポイント

独自指標で「全員活躍」の状態を可視化

カルビーは、経営戦略の一環として掲げる「2030ビジョン」の実現に向け、「全員活躍」を人的資本の最上位方針としています。
そこで注目されるのが、同社が独自に開発した「全員活躍指数(人的資本インデックス)」です。

このインデックスは、国内の既存事業を担う「α人財」と、海外や新規事業に挑戦する「β人財」の両者が活躍し、協働する状態を数値化したものです。

具体的には、両者それぞれの「活躍実感スコア」(全員活躍状態、心理的安全性、キャリア自律)に、「相互信頼スコア」を掛け合わせることで、企業全体の人的資本の状態を定量的に把握しています。

画像引用:AdverTimes.

「価値創造ストーリー」で人材育成を明示

人的資本の活用による企業価値創出に向けて、同社は「価値創造ストーリー」を提示し、その中でコア人材の育成方針を明確にしています。

特に注力するのは、経営人財、DX人財、グローバル人財といった戦略人材の確保と育成です。

たとえば、2025年3月期には「重要戦略ポジション候補者の充足度300%」という高い目標を掲げ、実績としても191%を達成。
グローバル貢献意欲のある社員の割合も23%に上昇し、意識改革と行動変容が進んでいることが伺えます。

人材戦略と経営戦略の一体化を推進

同社の人的資本経営の特徴は、数値目標と取り組みが明確に連動している点にあります。

具体的には、人財育成会議によるサクセッションプランの策定や、グローバルタレントマネジメントの構築、DXアカデミーの運営などが挙げられます。

これらの取り組みは、社員の能力を最大限に引き出し、企業の中長期的成長につなげることを目的としています。
人的資本を単なるリソースではなく、「価値創出の原動力」として位置づける姿勢が、カルビーの経営戦略と深く結びついています。

人的資本の定量的な評価と開示は、今後ますます求められる企業の責任であり、競争優位性を左右する要素です。
カルビーのように、自社独自の指標を用いながら透明性と戦略性を両立させた開示は、今後の人的資本経営のモデルケースとなるかもしれません。

概要

配信元:AdverTimes.

公開日:2025/06/30

本記事をすべて見る

 

合わせて読みたい

grid