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グローバル人材育成に積極的な企業の事例をご紹介
グローバル事業拡大に向けた人財戦略として、国内で基礎を磨きつつ海外現地で経営経験を積ませる育成体系を整える企業が増えています。
早期から海外リーダー候補を計画的に育てる取り組みは、グローバル人材育成の観点からも注目すべき動きです。
本記事では、カルビー株式会社が新たに導入した「グローバルコース」の概要と、そこに見られるグローバル人材育成についてご紹介します。
カルビーが新設した「グローバルコース」は、将来的に海外グループ会社の経営や製造の責任者を担う人財を育成するプログラムです。
採用後5年間は国内で物流・財務・設備保全などの基礎スキルを磨き、その後は海外でのトレーニー経験を積むステップを設定。
30代前半には現地マネージャーとして活躍できるキャリアパスを描いています。
採用と育成を一体化し、計画的に海外経営を担う人財を育てる設計が特徴です。
同社は「多様な人財がそれぞれの強みを活かし、組織や社会への貢献と自身の成長を通じて幸せと誇りを感じること」を掲げ、組織全体の成長を促す人財戦略を展開しています。
今回のコース新設は、海外事業拡大を柱とする中期戦略「Change 2025」の一環。
多様性を基盤に、国内外で自律的に価値を発揮する人財を増やす方針が明確に打ち出されています。
グローバル戦略と人財育成方針が連動している点が、実務上の大きな示唆を与えます。
海外展開を進める日本企業にとって、現地経営をリードできる人財の確保は喫緊の課題です。
同社のように、早期から海外業務経験を組み込む育成体系を構築する動きは、将来的な経営基盤強化に直結します。
カルビーの人事総務部 部長・種橋直実氏は、「グローバル展開を事業成長の柱に掲げる中で、語学力と経営マネジメント力を兼ね備えた人財の確保が不可欠」と語り、今回の「グローバルコース」をそのための重要な一歩と位置づけています。
挑戦意欲・海外志向を持つ若手への期待の高さがうかがえます。
採用・育成・配置を一貫で設計し、海外拠点を牽引できる人財のパイプラインをいかに形成するかが鍵となるでしょう。
配信元:FOODS CHANNEL
公開日:2025/10/01