外国人材が長く働きたい会社とは?企業に求められる環境づくりと制度の活用
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グローバル人材育成に積極的な企業の事例をご紹介
アステラス製薬では、“価値を作り出し届けているのは、結局のところ人である”というコンセプトのもと、グローバルな範囲で「人」の力を最大限に引き出す人事戦略を積極的に行っています。
本記事では、全社一体となってパフォーマンスの高い組織を実現するために、同社が行った人的資本経営実現のポイントについて、詳しく紹介していきます。
東京都 : 1923年創業
医薬品製造・販売業 : 医薬品の製造・販売、輸出入業
①事業リーダーの開発支援、HRデータの高度な分析・経営への提示により、経営層や事業部門と共に戦略を実現する人事を標榜。Global head of HRを社外から招聘し取組を加速している。
②全社一体でパフォーマンスの高い組織を実現すべく、組織健全性に関する目標を明確化した。経営と社員の直接の対話により社内文化・マインドセットの浸透を重視している。
③能力本位で経営ポジションへの人材登用を行い、経営陣の多国籍化を進めている。また、全社共通・全社員対象のグローバルな社内公募制度により、社内転職も実現する等、社内で労働市場原理を効果的に生み出している。
◎人事部門の役割再定義・ビジネスパートナー化を促進
社外から新たにGlobal head of HRを招聘。人事部門の役割を進化させ、事業部門のリーダー・マネージャーの質を高めるサポートを人事部門が行うことを目指している。そのために、人事部門自身がより良いビジネスパートナーになるよう、データドリブンのHRに取り組んでいる。
◎データドリブンによる経営との討議、人事運営に向けた育成
HRデータをダッシュボードにまとめ、経営層の意思決定や課題解決に活用している。分析をより高度化させるため、ピープルアナリ
ティクスのスキルを持つ社員を増やしている。
◎経営計画で組織健全性目標を設定、社内文化やマインドセットの浸透を重視
直近の「経営計画2021」において人材に関する目標(組織健全性目標)を設定した。これらの目標は文化やマインドセットといったソフト面の強化を目指したものである。
その下で、具体的なアクションとして、社長と社員が直接対話を行う「Dialogue with CEO」、リーダーが社員の質問に答える「Ask Me Anything」セッション等を開催している。
◎報酬連動の対象を全社業績に変更、複数の部門間で協働して達成する目標の設定
部門を超えた全社的な協働を促すため、報酬に連動する目標を部門業績から全社業績へと切り替えた。あ わ せ て 、 複 数 の 部 門 間 で の 共 通 目 標 で あ る「Shared Objectives」を設定することで、複数の部門が互いに協力する仕組みを構築している。
◎グローバルで国籍を問わず優秀な経営人材を登用
社内の重要な経営ポジションへの登用は、候補者の国籍によらず、適所適材の方針のもと、能力本位で職務にふさわしい人材を登用している。優秀な外国人幹部の積極的な登用につながっており、経営陣の多国籍化が進んでいる。
◎社内公募制度による社内転職を実現
全社共通のグローバルな社内公募制度を設けており、全社員が応募の権利を持つ。社員が他部門の様子をより理解できるように、部門側が自部門の魅力や求める人材をアピールする機会を設けている。
当社の役割は、患者さんとそのご家族の健康、医療現場の方々の負担減のために新たな「価値」を提供することです。そのため、革新的な治療法をより早く、より広範囲に、正しい形で届けるため、研究、開発、製造、営業など全ての部門が協働しながら、会社全体で取り組んでいきます。
「価値を作り出し届けているのは、結局のところ『人』である」—このことを理解している企業ほどグローバルで成功しています。社員一人ひとりが持つ力を存分に発揮することが多くの価値を患者さんに届けることにつながるという考え方の下、人を大切にするアステラスの魅力を最大化する取組を、これからも積極的に推進していきます。
(杉田 勝好氏/アステラス製薬株式会社 Head of HR)
引用:人的資本経営の実現に向けた検討会~人材版伊藤レポート2.0~報告書実践事例集(経済産業省)
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