外国人材が長く働きたい会社とは?企業に求められる環境づくりと制度の活用
企業事例
グローバル人材育成ニュース
海外売上高比率の企業や
グローバル人材育成に積極的な企業の事例をご紹介
ポンプ事業等を展開する荏原製作所は、グローバルでの事業展開及び持続的成長に向け、人材育成施策の開示やサクセッションプログラムの整備等、グローバル・グループ全体での人材マネジメントの強化に取り組んでいます。
本記事では、荏原製作所が「全世界の社員が、競争し、挑戦する企業風土」への変革に向け、社を挙げて進める人的資本経営のポイントについて、紹介します。
東京都 :1912年創業
製造業 : ポンプ事業、冷熱事業、環境プラント事業、精密・電子事業 等
①グローバルでの事業展開に欠かせない人材面の施策、KPI、過去の成果を開示している。
②グローバルキーポジションを設定し、海外拠点人材も含めた選抜・育成を行うなど、グローバルでの持続的な事業成長を支えるサクセッションプログラムを整備している。
③外部研究機関との共同研究、学術分野からの専門家の招聘、退職者とのネットワーク形成等により、社外人材の専門性を事業運営に活かしている。
◎長期ビジョン(E-Vision2030)に連動する人材施策・KPIを整備。
人材の活躍促進を、長期ビジョン「EVision2030」における重要課題の1つに位置付けている。
中期経営計画(E-Plan2022)では、「グローバルでの持続的成長を実現するための基盤整備」、「競争し挑戦する企業風邪土への変革」に向けた施策を掲げ、各施策の目標をKPIとして設定し、過去の成果と共に開示している。
◎海外拠点のキーポジション・人材も含めたプランニング、抜擢・育成
長期ビジョンに掲げる海外事業戦略実現のため、事業上重要なグローバルキーポジションへの後継者計画を整備している。
海外の各拠点で継続的に経営人材を輩出すべく、各国の優秀人材を早期に抜擢し、育成を実施している。
また、グローバル全体の後継者計画として、プレジデント、事業部長、統括部長、部長、課長と徐々に後継者候補の棚卸しの対象を拡大し、全ての人材を社長がレビューしている。
◎社外連携と人材育成
事業・研究・知財を三位一体として取り組むBRDIP方針(Business, R&D and Intellectual Property)により製品競争力を強化するとともに、ABA(Academy, Business and Associations)を掲げて、事業・工業団体・学会の相互貢献を志している。また、学術分野より、事業に関連する専門家を招聘している。
また、EOI(Ebara Open Innovation)という独自のオープンイノベーション形態により、若手研究者を外部研究機関で育成しながら、事業に直結する技術課題に関する共同研究を実施している。
定期的なシンポジウムを開催し、最新研究への理解を深め、事業との連携を促進している。
◎アルムナイ制度の実施
自社の退職者を「エバルムナイ」(荏原製作所のアルムナイ)として、ネットワークを形成。アクセス可能な人的資本の範囲を拡大し、多様な人材の獲得や協業・オープンイノベーションの促進を企図している。
具体的には、アルムナイとの関係に特化したクラウド型SNSシステムを導入し、社内のニュースやキャリア採用の情報を継続的に提供している。
中長期的な退職者との関係の維持により、会社の人材育成の在り方や、ビジネス連携などの企業活動そのものの在り方の変化を期待している。
人材の活躍促進は、10年後のあるべき姿とそれに向かう道筋としての長期ビジョン「E-Vision2030」における重要課題の一つです。
世界規模で事業を展開し、企業として成長し続けるためにはグループ・グローバル全体での人材マネジメントを一層強化する必要があり、基盤整備のための “One EBARA HR”プロジェクトをグループ一体で進めています。
コロナ禍によって、働き方は世界で大きな変化を遂げました。アフターコロナの社会の変化を見据えながら、「競争し、挑戦する企業風土」への変革に向け、グループ・グローバル全体で社員の挑戦を前向きに評価し、「働きがい」と「働きやすさ」を感じてもらえる企業を目指します。
(永田 修氏/株式会社荏原製作所 執行役 グループ経営戦略・人事統括部長)※役職名は当時
引用:人的資本経営の実現に向けた検討会~人材版伊藤レポート2.0~報告書実践事例集(経済産業省)
次の記事
無料トライアルご希望の方、お見積もりはこちらからお問い合わせください