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グローバル競争が激化する製薬業界において、ニプロファーマは高度外国人材の登用と育成において、他社の一歩先を行く取り組みを実践しています。
2012年からベトナムに進出した同社では、日本とベトナムの両文化を理解した現地マネージャーが活躍し、現地拠点の成長を支えています。
本記事では、現地マネージャーとして活躍する人材の姿と、組織が文化の壁を越えて進化する取り組みをご紹介します。
ニプロファーマ・ベトナムは、現地従業員との円滑なコミュニケーションを目的に、日本語勉強会や社内イベントなどの多彩な取り組みを行っています。
文化的な違いを埋めるのではなく、共通の「企業文化」の醸成に力を入れている点が特徴です。
例えば、女性の日やテト(旧正月)を祝う行事を通じて、社員同士のつながりを深める機会を提供しています。
駐在員も積極的にベトナム語を学び、相互理解を深める工夫が随所に見られます。
ベトナム拠点で設備技術課長を務めるブイ・チュン・キェン氏は、大阪大学で機械工学を学んだ後、ニプロファーマへ入社し、本社勤務を経て2020年より現地で活躍しています。
キェン氏は、日本とベトナム双方の文化や仕事観を理解し、両者の間で生じやすい“すれ違い”を未然に防ぐブリッジ人材としての役割を担っています。
業務指示は口頭だけでなく、視覚的なツールも活用するなど、伝え方にも工夫を凝らしています。
また、マネージャーとして「自分でやった方が早い」とせず、適切な指示・教育を通じてチーム全体を成長させる姿勢を大切にしている点も印象的です。
同社では、外国人であることを理由に役割を限定するのではなく、あくまで「個人の適性」に基づいた配置を徹底しています。
キェン氏が技術職として培ってきた知見や経験を評価し、重要なポジションで活躍の場を与えていることが、その姿勢を物語っています。
語学力や文化理解はアドバンテージではありますが、それだけでは十分とはいえません。
同社のように、日本人と同じ評価基準のもとでキャリア機会を提供し、将来的な経営参画を視野に入れた育成を行っている点は、高度外国人材活用の好事例といえるでしょう。
配信元:日本貿易振興機構
公開日:2025/07/08
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