
伊藤園、ティーバッグ製造の新会社を設立しグローバル展開を強化
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海外売上高比率の企業や
グローバル人材育成に積極的な企業の事例をご紹介
韓国発の化粧品ブランド「アヌア」などを展開する「The Founders(ザ・ファウンダーズ)」が、海外市場で急成長を遂げています。
2024年の売上は前年比約300%増となり、その9割以上が北米をはじめとする海外からの売上です。
世界160か国以上に展開し、AmazonやQoo10といったグローバルプラットフォームでも高評価を得るなか、注目すべきは「人」にフォーカスした経営戦略です。
本記事では、同社のピープル室のキム・ソン室長に、成長を支える人材戦略とグローバルなスタートアップにおける人事のあり方について伺ったお話をご紹介します。
「今も採用は事業のボトルネックになっている。だからピープルチームは管理組織ではなく、ビジネス解決のための先行組織として動いている。単なる採用や組織整備ではなく、各チームが成長するためのフロントの役割を担っている」。
とThe Foundersのキム室長は強調しています。
採用は単なる人員補充ではなく、各チームの成長支援と課題解決を担う戦略的機能とされ、現場に深く入り込むHRBP(人事ビジネスパートナー)の概念を導入しています。
採用においては、「なぜこの仕事をするのか(WHY)」という動機に重きを置き、華やかな経歴よりも、自律的に目的達成に向かえる人材を評価しています。
経験の有無より、実行力や問題解決力を重視する姿勢は、スタートアップならではの俊敏な組織づくりを象徴しています。
会社の特徴についてキム室長は、「迅速な意思決定、データに基づく分析、問題解決中心の文化はIT企業に似ている。一方で、製造を基盤とする化粧品業界特有の品質への集中力と実行力も同時に存在する」と述べました。
組織の成長段階に応じて「人材の密度」を重視し、量より質を重んじる採用方針を貫いています。
経営層も採用に深く関与し、リーダー人材の獲得には年単位でアプローチするケースもあるとのこと。
実績だけではなく、困難を乗り越えて成長してきたプロセスを評価する独自の視点が、強い組織を形づくっています。
同社の福利厚生制度は、単なる費用補助ではなく、「健康」と「集中」にフォーカスした戦略的施策です。
朝食の提供、運動費の支給、心理カウンセリングなどが整備され、社員の心身のコンディションを企業全体でマネジメントする体制が取られています。
このような支援は、持続可能な働き方の確立だけでなく、企業全体のパフォーマンス向上にもつながるといえるでしょう。
成長と達成を同時に求める環境で、個人のポテンシャルを最大限に引き出すための同社のような人材戦略と組織設計は、グローバルで戦う企業にとって重要なヒントとなるのではないでしょうか。
配信元:AFPBB News
公開日:2025/06/27
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