
人的資本経営時代、組織が問われる育成力と運用設計
統計調査
グローバル人材育成ニュース
海外事業・人事戦略やグローバル人材育成に
参考となる統計調査をご紹介
日本企業のグローバル展開が進む中、留学経験のある学生のキャリア志向や企業選びの価値観には、国内学生と異なる傾向が鮮明に表れています。
若手の挑戦意欲に応える育成と支援が、企業のグローバル人材戦略で重要になっています。
本記事では、海外の大学で学ぶ正規留学生や交換・派遣留学生を対象に行った、職業観や就職活動に関する調査をご紹介します。
調査によると、海外勤務について「ぜひ働きたい」「どちらかといえば働きたい」と回答した留学生は90.3%にのぼり、国内学生を大きく上回りました。
画像引用:キャリタス
理由として最も多かったのは「よりスキルアップできるから」(41.7%)、次いで「給与・待遇が良いから」(38.6%)、「将来のために海外勤務経験が必要だから」(35.4%)の結果でした。
留学生の志望業界は、文系では「商社(総合)」(38.0%)、「調査・コンサルタント」(36.0%)が上位を占め、理系では「調査・コンサルタント」(31.7%)、「情報処理・ソフトウエア」(31.2%)と、成長機会や国際的な活躍の場が得られる業界に人気が集中しています。
志望職種では、文理ともに「企画・マーケティング職」や「専門職・スペシャリスト」が高く、個人の裁量や国際感覚が求められる職種を選ぶ傾向が際立ちました。
一方、国内学生の志望業界は、文系では「銀行」や「IT」が上位を占め、理系では「医薬品・医療関連・化粧品」「電子・電機」などのメーカーが人気です。
職種では、「営業職」「事務・管理系職種」「研究・開発・設計」といった、国内市場や安定性を重視する選択が目立ちました。
このように、留学生は成長やグローバルな挑戦の機会が多い業界・職種を志望するのに対し、国内学生は安定志向や国内市場での活躍を前提とした選択をする傾向が強く表れています。
これは、就職先企業を選ぶ際に重視する点の回答からも読み取れ、留学生は自身がスキルアップできる環境を求めている回答が上位なのに対し、国内学生は安心して働ける環境を求めている回答が上位であることからもわかります。
評価してもらいたいスキルでは、留学生・国内学生とも1位は「コミュニケーション能力」で、留学生は、「異文化対応力」「語学力」「リーダーシップ」「バイタリティー」などの項目が国内学生より高く、その差が顕著でした。
留学経験を通じて向上させた能力やスキルを評価してもらいたいと考える学生が多いことがうかがえます。
画像引用:キャリタス
企業には、こうした若手の期待に応える段階的な海外研修や実践機会の提供、グローバルリーダー育成の仕組みが求められています。
職業観や就職活動に関する調査
海外の大学で学ぶ正規留学生や交換・派遣留学生、585人
2025年2月25日〜3月14日
インターネット
配信元:日本の人事部
公開日:2025/05/14
次の記事