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SAP SuccessFactorsを核とした人事DX、参天製薬とシスメックスの取り組み

紹介

グローバルに事業展開する企業にとって、人事制度の共通化と人材情報の可視化は急務となっています。

SAP SuccessFactorsはその基盤として注目を集めており、導入・活用の現場では地域特性や制度差異を乗り越える工夫が求められています。

本記事では、参天製薬株式会社の Global HRIS Manager である落合 伸大 氏と、シスメックス株式会社の人事本部 人事部 課長である本庄 大介 氏が両社の取り組み内容やノウハウ、将来展望についてのお話をご紹介します。
グローバル人事・育成担当者の方は組織開発・人材マネジメントの参考記事としてお役立てください。

ポイント

ポイント①:参天製薬、グローバル人事基盤の統一に成功

参天製薬では、2015年からSAP SuccessFactorsを導入し、現在は全従業員を対象にシングルインスタンスで運用しています。

Employee Centralを中心に、評価、報酬、後継者管理などのモジュールを活用し、グローバルで統一された人事プロセスを実現しました。

リージョンごとに個別対応することなく、一貫した運用が可能となり、コスト削減にも寄与しています。
また、データの入力から報告までの全体設計に基づくオペレーション体制が整備されており、他システムやESG機関への報告にも活用されています。

ポイント②:シスメックス、地域特性に配慮したハイブリッド運用

シスメックスでは2021年にSAP SuccessFactorsの導入を開始。
日本・ヨーロッパでは共通インスタンスを使用し、アメリカ・シンガポールでは独自インスタンスを連携させたハイブリッド運用を実施しています。

まず、グローバルで統一されたシステムの早期実現を目指し、ジョブ型雇用における重要なポジション管理の強化と、人材データの可視化によるポートフォリオの充実を推進しています。

さらに、SAPのAIアシスタント「Joule」活用により、人事部門にとどまらず全社的な業務効率化を図ることを目指しています。

ポイント③:データ活用と将来展望に向けた両社のアプローチ

グローバルで人事データを活用するには、その取り扱いも重要です。

参天製薬では、シングルデータベースを用い、人事以外のシステムや ESG 評価機関に信頼性の高いデータおよび数値を一元的に提供しています。
また、ストーリーレポートによるデータの視覚化を進め、他システムとの連携や社外への報告にも活用できる体制を整備しています。入力ミスを防ぐため、各部門での定期的なチェック体制も確立しています。

シスメックスでは、Power BIと連携し人材データを可視化。
今後はストーリーレポート導入による可視化強化を進め、特に従業員が入力した情報の見える化が課題です。
人事データの自律性など数値化しにくい情報の活用方法も模索しており、グローバルでの人事管理では各地域のリクエストへの対応が欠かせません。
今後は全体統一に向けた会議再開も予定しています。

概要

配信元:SAPニュースセンター

公開日:2025/03/06

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