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異⽂化理解のフレームワーク「カルチャーマップ 」を解説《ブラジル編》

グローバル事業成功のカギとなる異⽂化理解のフレームワーク「カルチャーマップ」から“ブラジル”をピックアップ!

ブラジルビジネスのプロフェッショナルが指標毎に解説します。

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カルチャーマップとは

カルチャーマップとは何か

カルチャーマップとは、エリン・メイヤー氏が世界有数のビジネススクール INSEADで教授を務める中で、同校のプログラム参加者である世界各地から集まったエグゼクティブから得た情報を検証し作成された、マネージャーが自覚しておくべき8つの指標において、67カ国の文化の相対的位置づけを示した分布モデルです。

カルチャーマップの8つの指標

01:コミュニケーション
・他者との対話において明確な物言いを好むか、含みのある物言いを好むか
⇒明確な物言いを好む文化=ローコンテクスト
含みのある物言いを好む文化=ハイコンテクスト

02:評価
・否定的なフィードバックをする際に、直接的に伝えるか、間接的に伝えるか

03:リード
・権力者に対する敬意・服従がどの程度見られるか
⇒敬意・服従の強い文化=階層主義的、弱い文化=平等主義的

04:決断
・意思決定をする際に「合意」をどの程度重視するか
⇒合意を重視する文化=合意志向、個人で決断をする文化=トップダウン

05:信頼
・信頼形成にあたり、「タスクの達成」を重視するか、カウンターパートとしての「関係性」を重視するか

06:見解の相違
・意見の対立を是とするか、非とするか

07:スケジューリング
・スケジュールを遵守するか、状況に合わせて柔軟に対応するか
⇒スケジュール遵守=直線的な時間、状況に合わせる=柔軟な時間

08:説得
・他者を説得する際、原理を根拠に話すか、事例を根拠に話すか

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「国別カルチャーマップ ブラジル編」

資料概要

グローバルビジネスにおいて企業から多くよせられる相談のひとつに、「相⼿国の⽂化の理解がマネジメントのネックになっている」というものがあります。

グローバル環境で成果をあげていくためには、異⽂化を理解するための指標を持ち、その背景や要因を紐解いて柔軟に対応していく⼒を⾝につけておく必要があります。

インサイトアカデミーでは、独自にプロッティングした65か国の中から、この度“ブラジル”をピックアップし、8つの指標を説明するとともに、日本との違いを定量 / 定性の両面から分析し、ブラジルビジネスのプロフェッショナルによる8つの指標毎の考察を盛り込んだ「国別カルチャーマップ ブラジル編」をリリースいたしました。

日本との違いをより詳しく学ぶことで、どのような行動をとればよいのかのヒントが見つかるはずですので、 ブラジルでビジネス展開をされている企業様はもちろん、仕事上でブラジルの方とコミュニケーションをとる方など、 ブラジルビジネスに携わるすべての方におすすめの資料です。

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資料目次

1. カルチャーマップとは
1-A エリンメイヤーとカルチャーマップ
1-B カルチャーマップ8つの指標

2. カルチャーマップ –ブラジル-
2-A コミュニケーション★
2-B 評価★
2-C リード
2-D 決断
2-E 信頼
2-F 見解の相違
2-G スケジューリング★
2-H 説得
2-I 日本&ブラジル文化特性比較

本記事では、上記項目の「★」印のプロフェッショナル講師による解説を公開します。

プロフェッショナル講師による「カルチャーマップ ブラジル」の解説

講師紹介

筒井 隆司氏
元 ソニーブラジル社長 現 一般社団法人 Japan noharm Association 専務理事

1982 年にソニーの海外営業本部に入社後、北米・中南米・ロシア・中近東・欧州と数多くの現場を経験し、22 年に及ぶ駐在員生活では海外販売会社の社長を歴任。
本社に戻ってからは政策渉外部門を統括して企業と社会、省庁との連携の重要性を訴えて関係を強化。

2015 年、世界最大の国際環境 NGO・WWF に転職し、WWF ジャパンの事務局長として、多くの企業との連携で国際環境問題の解決に奔走。WWF ではグローバル経営委員やアジア代表にも選出された。

2020 年秋から SDGs の経営実装を手掛ける一般社団法人「日本ノハム協会」の専務理事に就任、現在に至る。

コミュニケーション

他者との対話において明確な物言いを好むか、含みのある物言いを好むか

▼ロ-コンテクスト
1.良いコミュニケーション=厳密・シンプル・明確
2.メッセージは額面通りに伝え、受け取る
3.コミュニケーション明確化のため、繰り返しも歓迎

▼ハイコンテクスト
1.良いコミュニケーション=繊細・含みがある・多層的
2.メッセージは行間で伝え、行間で受け取る
3.ほのめかしも多く、はっきりと口にすることが少ない

◎プロフェッショナル講師の解説

大航海時代のポルトガルを中心とする欧州からの移民や、現地人との交配、アフリカからの奴隷労働者、近代における植民受容政策や難民の流入など、ブラジルは様々な民族・人種によって構成されており、多文化・多様性を特徴とする国です。

こうした成り立ちの中で、周囲の異なる人々とは積極的に対話し、交渉することで問題を解決してゆくのがブラジルの国民性と言えます。

会話におけるブラジル・ポルトガル語も、異なるバックグラウンドを持つ人同士がお互いを理解することに重点を置くためか、文法やスペリングに対しても寛容で、細かなミスを指摘されることはありません。まずは理解し合うことが重視されているように感じます。

評価

否定的なフィードバックをする際に、直接的に伝えるか、間接的に伝えるか

▼否定的なフィードバックを直接的に伝える
1.否定的なフィードバックは率直・単刀直入・正直に
2.否定的なフィードバックを肯定的なフィードバックで和らげることはしない
3.「間違いなく不適切だ」「全く以ってプロフェッショナルではない」といった断定的な表現が用いられる
4.批判はグループの前で個人に対し行われることもある

▼否定的なフィードバックを遠回しに伝える
1.否定的なフィードバックは柔らかく・さりげなく・やんわりと
2.肯定的なメッセージで否定的なメッセージを包み込む
3.「やや不適切だ」「少しプロフェッショナルではない」といった婉曲な表現が用いられる
4.批判は1対1でのみ行われる

◎プロフェッショナル講師の解説

カルチャーマップの「評価」に於いて、ブラジルは日本と比べると「否定的なフィードバックを直接的に伝える」傾向がありますが、もう少し細かく見る必要があります。
相手に否定的なフィードバックをする際には、都合の良い解釈や誤解を生む余地がないように、明確に NO を伝える傾向があります。特に、ビジネスに於いて顕著です。

しかし同時に、相手や取引先企業に対するリスペクトは失わないよう配慮することが大変重要で、これがないと相手からのリスペクトも失いかねません。
NOと言う場面でも、理路整然、且つ丁寧に説明します。その説明に納得しない場合でも、相手の立場や考え方に一定の理解を示すなど、相手の価値観を否定しないことがビジネスマナーとされます。

ビジネス判断には実現性や持続性、人材や利益率など、個人的な判断と別の要素で下されることが殆どですので、nothing personal( 個人的恨みはないからね ) と付け加える場面をよく目にします。

ビジネスライクに厳しい判断をした後でも、「個人的関係は別だ」という事で、仕事とプライベートの区別がビジネスパーソンの基本的資質です。

スケジューリング

スケジュールを遵守するか、状況に合わせて柔軟に対応するか

▼直線的な時間
1.プロジェクトは連続的なもので、工程が一つずつ順番に進み、邪魔が入ることは想定されていない
2.締め切り、スケジュール通りに進むことが重要視される
3.組織性や迅速さに価値が置かれる

▼柔軟な時間
1.プロジェクトは流動的なもので、場当たり的、同時進行で複数の作業が進められ、邪魔が入ることも受容される
2.順応性と柔軟性に価値が置かれる

◎プロフェッショナル講師の解説

日本に比べれば、スケジュールや予算などの管理面で、ややルーズとの指摘はあります。しかしそれは逆に、日本やドイツ、スイスなどが世界平均よりも厳格であるに過ぎないと言えるでしょう。

ブラジルでは時間厳守が最優先ではありません。交通事情や家族の心配事、健康上の理由などがあれば時刻を守れなくても許す寛容さがあります。
ビジネスの会議でも有意義な討論で議論が白熱すれば、時間延長はよくあります。ただ、説明もなく毎回のように会議に遅れて来るような人は、上司であっても日本同様に非難されます。

「時間は、誰もが決して取り戻すことのできない人生の貴重な資産」であるということを皆で認識し、出来るだけ定刻運用を心掛けることには、社員の賛同も得られます。

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「国別カルチャーマップ ブラジル編」ダウンロード

異⽂化理解のフレームワーク「カルチャーマップ」から“ブラジル”をピックアップし、8つの指標を説明するとともに、日本との違いを定量/定性の両面から分析し、ブラジルビジネスのプロフェッショナルによる8つの指標毎の考察を盛り込んでいます。

ぜひ貴社のブラジルビジネスにおける異文化マネジメントにご活用ください。

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「カルチャーマップ」の関連講座《INSIGHT ACADEMY》

異文化理解概論

講師:岡田 昭人氏

東京外国語大学大学院総合国際学研究科教授
オックスフォード大学教育学博士

世界で結果を出すためには「日本人なら当然と考える価値観や思考習慣が、世界ではそのまま適用されない」という事実に気づくことが第一歩です。

本講座では、多角的な切り口で異文化を理解するために、異文化理解の指標や概念を学びます。
異文化を理解するためには、カルチャーアイスバーグを認識し、自文化と異なる文化との「比較の物差し」を持つことが重要です。
「比較の物差し」の一つとして、「カルチャーマップ」を活用することが効果的です。

その上で、自国の基準で評価するのではなく、対象国の価値観や思考習慣との違い(異文化)、その裏にある背景を捉えようとする姿勢を身に付けます。

サマリー動画はこちらから 

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