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異⽂化理解のフレームワーク「カルチャーマップ 」を解説《ベトナム編》

グローバル事業成功のカギとなる異⽂化理解のフレームワーク「カルチャーマップ」から“ベトナム”をピックアップ!

ベトナムビジネスのプロフェッショナルが指標毎に解説します。

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カルチャーマップとは

カルチャーマップとは何か

カルチャーマップとは、エリン・メイヤー氏が世界有数のビジネススクール INSEADで教授を務める中で、同校のプログラム参加者である世界各地から集まったエグゼクティブから得た情報を検証し作成された、マネージャーが自覚しておくべき8つの指標において、67カ国の文化の相対的位置づけを示した分布モデルです。

カルチャーマップの8つの指標

01:コミュニケーション
・他者との対話において明確な物言いを好むか、含みのある物言いを好むか
⇒明確な物言いを好む文化=ローコンテクスト
含みのある物言いを好む文化=ハイコンテクスト

02:評価
・否定的なフィードバックをする際に、直接的に伝えるか、間接的に伝えるか

03:リード
・権力者に対する敬意・服従がどの程度見られるか
⇒敬意・服従の強い文化=階層主義的、弱い文化=平等主義的

04:決断
・意思決定をする際に「合意」をどの程度重視するか
⇒合意を重視する文化=合意志向、個人で決断をする文化=トップダウン

05:信頼
・信頼形成にあたり、「タスクの達成」を重視するか、カウンターパートとしての「関係性」を重視するか

06:見解の相違
・意見の対立を是とするか、非とするか

07:スケジューリング
・スケジュールを遵守するか、状況に合わせて柔軟に対応するか
⇒スケジュール遵守=直線的な時間、状況に合わせる=柔軟な時間

08:説得
・他者を説得する際、原理を根拠に話すか、事例を根拠に話すか

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「国別カルチャーマップ ベトナム編」

資料概要

グローバルビジネスにおいて企業から多くよせられる相談のひとつに、「相⼿国の⽂化の理解がマネジメントのネックになっている」というものがあります。

グローバル環境で成果をあげていくためには、異⽂化を理解するための指標を持ち、その背景や要因を紐解いて柔軟に対応していく⼒を⾝につけておく必要があります。

インサイトアカデミーでは、独自にプロッティングした65か国の中から、この度“ベトナム”をピックアップし、8つの指標を説明するとともに、日本との違いを定量 / 定性の両面から分析し、ベトナムビジネスのプロフェッショナルによる8つの指標毎の考察を盛り込んだ「国別カルチャーマップ ベトナム編」をリリースいたしました。

日本との違いをより詳しく学ぶことで、どのような行動をとればよいのかのヒントが見つかるはずですので、ベトナムでビジネス展開をされている企業様はもちろん、仕事上でベトナムの方とコミュニケーションをとる方など、ベトナムビジネスに携わるすべての方におすすめの資料です。

「国別カルチャーマップ ベトナム編」資料ダウンロードはこちらから 

資料目次

1.カルチャーマップとは
1-A エリンメイヤーとカルチャーマップ
1-B カルチャーマップ8つの指標

2. カルチャーマップ –ベトナム-
2-A コミュニケーション★
2-B 評価★
2-C リード
2-D 決断
2-E 信頼
2-F 見解の相違
2-G スケジューリング★
2-H 説得
2-I 日本&ベトナム文化特性比較

本記事では、上記項目の「★」印のプロフェッショナル講師による解説を公開します。

プロフェッショナル講師による「カルチャーマップ ベトナム」の解説

講師紹介

加藤  将司氏
ジェイエイシー リクルートメント 海外進出支援室マネージャー

上海師範大学卒業後、大手人材サービス会社での人材採用業務、ベトナム人材紹介ビジネスの立上げを行なう。
2012 年 JAC Recruitment Vietnam の立上げを行なうため JAC Recruitment Singapore に入社。主に日系ベトナム法人向けに管理職層を中心とした人材紹介を行なうとともに、社長 (Managing Director) として、ホーチミン、ハノイの 2 拠点、約 30名の組織のマネジメントを行なった。
2018 年 5 月、日本に帰国し JAC Recruitment 海外進出支援室に配属。日系企業の海外事業要員採用に関するコンサルテーションを行なう。

コミュニケーション

他者との対話において明確な物言いを好むか、含みのある物言いを好むか

▼ロ-コンテクスト
1.良いコミュニケーション=厳密・シンプル・明確
2.メッセージは額面通りに伝え、受け取る
3.コミュニケーション明確化のため、繰り返しも歓迎

▼ハイコンテクスト
1.良いコミュニケーション=繊細・含みがある・多層的
2.メッセージは行間で伝え、行間で受け取る
3.ほのめかしも多く、はっきりと口にすることが少ない

◎プロフェッショナル講師の解説
ベトナム人同士だとハイコンテクストである傾向が強いですが、相手がベトナム人以外だと異なってきます。

ベトナムは、歴史的にも大国の脅威に晒されてきたので、伝えるべきことはしっかりと伝えますが、“おもてなし”や上手にはぐらかしたりもする、ハイとローを行き来するバランス感覚に大変優れています。

北部ではハイコンテクストで本音と建前をわける傾向が強く、南部はオープンでストレートなローコンテクストの傾向が強いので、ベトナム人同士でも何を考えているかわからないという、ミスコミュニケーションが発生することもあります。

仕事に関しては、確認がなかったり、わかりませんと言えなかったり、責任回避のためにハイコンテクストで話をしますが、できない理由として「具体的に学んでない」「具体的な言葉がなかった」、などと言われることもあります。

生活シーンでは、北部は変わらずハイコンテクストですが、南部は人間関係ができていないと、「好き / 嫌い」「美味しい / まずい」をストレートに伝えたり、メンバーに「遊びに行こう」と誘っても、「あなたは上司で友達じゃないから行かない」とシンプルに伝えたりすることもあります。

評価

否定的なフィードバックをする際に、直接的に伝えるか、間接的に伝えるか

▼否定的なフィードバックを直接的に伝える
1.否定的なフィードバックは率直・単刀直入・正直に
2.否定的なフィードバックを肯定的なフィードバックで和らげることはしない
3.「間違いなく不適切だ」「全く以ってプロフェッショナルではない」といった断定的な表現が用いられる
4.批判はグループの前で個人に対し行われることもある

▼否定的なフィードバックを遠回しに伝える
1.否定的なフィードバックは柔らかく・さりげなく・やんわりと
2.肯定的なメッセージで否定的なメッセージを包み込む
3.「やや不適切だ」「少しプロフェッショナルではない」といった婉曲な表現が用いられる
4.批判は1対1でのみ行われる

◎プロフェッショナル講師の解説
ベトナム人は、人前で叱られることに強い抵抗感を覚えます。人前で叱られると、「存在自体を否定された」と感じる、強烈な反発や嫌悪感を引き起こす可能性が日本よりも高いといえます。生き方やスタンス、考え方などを否定するようなフィードバックにならないよう充分な注意が必要です。

否定的なフィードバックをする場合は、具体的に目標設定をして、一切感情を入れずに指摘することをお勧めします。

その際、他の事例を伝えたり選択肢を提案したりするなど、直接的 × 間接的に本人に気づいて貰うということを意識することが大切です。

その際も、周りに気づかれない配慮として、1on1 の環境を設定することも重要です。

スケジューリング

スケジュールを遵守するか、状況に合わせて柔軟に対応するか

▼直線的な時間
1.プロジェクトは連続的なもので、工程が一つずつ順番に進み、邪魔が入ることは想定されていない
2.締め切り、スケジュール通りに進むことが重要視される
3.組織性や迅速さに価値が置かれる

▼柔軟な時間
1.プロジェクトは流動的なもので、場当たり的、同時進行で複数の作業が進められ、邪魔が入ることも受容される
2.順応性と柔軟性に価値が置かれる

◎プロフェッショナル講師の解説
時間軸において、「約束・計画が前提」の日本と、社会全体に“お互い様精神”があり、「感情が前提」のベトナムは正反対です。
ベトナムには、ゴムの時間(伸ばすことが可能という意味)や、“水は足に届いたらジャンプして避ける”という言葉があるほど柔軟性があり、オンタイム以外の選択肢があるからです。

そもそも、スケジュール帳やスケジュール管理アプリを使う人も日本より少ないといえます。社会インフラがまだまだ弱いため、“雨が降って遅刻する”などのイレギュラー対応にも寛容です。
締め切りの厳守や約束を守るという意識は想像以上にありますが、それを守る技術が現状では発展途上です。

そもそも社会全体がまだ発展途上にあるため、「マイルストーンを作り逆算して行動に落としこみ、確認しながら仕事を進めていく」ということに関しては、日程の見積もりが甘くなり、エンジンをかけるのがギリギリになる傾向があります。
これはビジネスシーンでも多く発生しますが、解決方法は「ルールだから」「仕事だから」という原理原則論だけでなく、いかにその業務を「会社ごと・他人ごと」から「自分ごと」にするか、が重要です。

資料ダウンロード

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異⽂化理解のフレームワーク「カルチャーマップ」から“ベトナム”をピックアップし、8つの指標を説明するとともに、日本との違いを定量/定性の両面から分析し、ベトナムビジネスのプロフェッショナルによる8つの指標毎の考察を盛り込んでいます。

ぜひ貴社のベトナムビジネスにおける異文化マネジメントにご活用ください。

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「カルチャーマップ」の関連講座《INSIGHT ACADEMY》

異文化理解概論

講師:岡田 昭人氏
東京外国語大学大学院総合国際学研究科教授
オックスフォード大学教育学博士

世界で結果を出すためには「日本人なら当然と考える価値観や思考習慣が、世界ではそのまま適用されない」という事実に気づくことが第一歩です。
本講座では、多角的な切り口で異文化を理解するために、異文化理解の指標や概念を学びます。
異文化を理解するためには、カルチャーアイスバーグを認識し、自文化と異なる文化との「比較の物差し」を持つことが重要です。
「比較の物差し」の一つとして、「カルチャーマップ」を活用することが効果的です。
その上で、自国の基準で評価するのではなく、対象国の価値観や思考習慣との違い(異文化)、その裏にある背景を捉えようとする姿勢を身に付けます。

サマリー動画はこちらから 

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