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アステラス製薬の駐在員が中国で拘束、反スパイ法違反容疑

紹介

アステラス製薬の駐在員である日本人男性が、北京で中国当局によって「反スパイ法」違反の容疑で拘束されました。

2014年に中国にて反スパイ法が制定されて以来、多くの日本人が中国当局に拘束されおり、10年を超える実刑判決が下された事例も複数あります。

本記事では今回の事例を通して見えてくる、反スパイ法の実態と中国政府の外国企業への対応の不統一性、それに伴う日本企業の社員拘束リスクについて紹介しています。

ポイント

中国では2014年に反スパイ法が制定されて以来、少なくとも17人の日本人が中国当局に拘束されてきました。2018年2月に伊藤忠商事の中堅社員が、2019年9月に北海道大学法学研究科教授の岩谷將氏が拘束されています。今回のアステラス製薬の駐在員拘束の件も含め、繰り返される日本人の中国での拘束のニュースは現地の日本人社会に大きな衝撃を与えています。

「反スパイ法」による取り締まりの恐ろしさは、規定があいまいで何が法に触れるのかが明確でないことです。裁判も非公開で行われ、具体的な容疑が何だったのか外部からは計り知ることが出来ません。また、同法は現在、改正作業が進められており、容疑の適用範囲はネットワーク関連などへさらに広がる見通しです。

 

 新型コロナ対策、アメリカとの緊張の高まりから経済成長が鈍化した中国は、外国からの投資を呼び戻すことに力を注いでいます。3月に北京市にて開催された中国発展ハイレベルフォーラムにて中国政府は対外開放をアピールし、外国からの投資を呼びかけました。日本にも地方政府の投資誘致団が続々と来ています。その一方で不透明な拘束を続ける状況は、中国の外国企業に対する対応のちぐはぐさを露呈していると言えます。こうした姿勢は日中の経済関係の基礎を危うくする恐れもあり、日本企業も、社員の拘束リスクに真剣に向き合う必要があります。

概要

配信元:東洋経済オンライン

公開日:2023/03/28

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