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欧州とアフリカをつなぐ拠点として、モロッコへの関心が日本企業の間でも高まっています。
グローバル人材育成担当者にとっては、進出先を単なるコストや制度面だけで判断するのではなく、多言語環境での組織運営や現地人材の活用まで含めて捉える視点が欠かせません。
本記事では、モロッコ市場の産業基盤と企業進出動向についてご紹介します。
モロッコは、欧州とアフリカをつなぐ貿易・物流のハブとして位置付けられています。
特に、スペインとわずか14キロメートルの距離にあるタンジェにはアフリカ最大級の港湾であるタンジェMED港があり、自動車産業を中心に多くの輸出を支えています。
同国はアフリカ最大の自動車生産国で、生産車両の約9割が同港から輸出されています。
航空機関連産業も拡大しており、カサブランカ近郊の工業団地には主要航空機メーカーが進出しています。自由貿易協定の広がりも、輸出産業を下支えしています。
モロッコでは、公用語のアラビア語とアマジグ語に加え、フランス語が行政・教育、ビジネス分野で広く使用されています。
近年は若年層を中心に英語の普及も進み、北部の一部地域ではスペイン語も使われています。
こうした多言語環境が形成されている点は、同国の特徴の1つです。また、技術・職業訓練校などの教育機関が充実しており、適切な教育を受けた人材の中から、日系企業の工場で活躍できる人材の確保も可能とされています。
賃金水準も中・東欧諸国やトルコと比べて低く、コスト面での優位性があるとされています。
モロッコにはすでに約70社の日系企業が進出しており、アフリカでは南アフリカ共和国、ケニアに次ぐ規模となっています。
一方で、同国では欧州企業の存在感が大きく、特にフランスやスペインがインフラ建設や製造業分野で強みを持っています。
加えて、中国企業もEVバッテリー関連分野を中心に大型投資を進めており、存在感を高めています。
タンジェMED港周辺の経済特区には、自動車、航空宇宙、繊維、食品、加工、物流など1,400社以上が進出し、約13万人の雇用を支えています。税制優遇やワンストップサービスも整備されており、進出環境の整備が進んでいます。
海外拠点での人材競争が強まる中、グローバル人事・育成担当者には、採用力だけでなく、現地人材が定着し活躍できる育成・マネジメント基盤を早期に整える視点が求められます。
配信元:独立行政法人日本貿易振興機構
公開日:2026/03/18