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2025年度 海外進出日系企業実態調査(ロシア編)

紹介

日本貿易振興機構(ジェトロ)は2025年12月、「2025年度 海外進出日系企業実態調査(ロシア編)」の結果を発表しました。

ロシア情勢の長期化に伴い、「収益の悪化」と「意思決定の停滞」が同時に起きやすい局面です。
一方で、撤退一辺倒ではなく“現状維持”を選ぶ企業も増えており、グローバル人材育成の観点では「不確実性下での判断」「現地人材の動機づけ」「競争相手の変化」を前提にしたマネジメント力が問われます。

本記事では、調査をもとに、ロシアで事業を行う日系企業の実態と、人材・組織面で押さえるべき論点についてご紹介します。

ポイント

ポイント①:営業利益低下。事業方針は「現状維持」76%に集中

2025年の営業利益は「赤字」見込みが50.0%で、「黒字」見込みは24.0%と過去最低水準です。
また、2024年比の見込みは「横ばい」54.0%が最多で、「悪化」36.0%、「改善」10.0%でした。

画像引用:独立行政法人日本貿易振興機構

今後1~2年の事業展開は「現状維持」76.0%が前年から増加し、「縮小」と「第三国(地域)へ移転、撤退」の合計は18.0%で前年から半減しています。
さらに現在の状況は、51.0%が「すぐに撤退する計画はないが、情勢を様子見」と回答しました。

画像引用:独立行政法人日本貿易振興機構

ポイント②:駐在員数は「維持」が9割超、過去1年も今後予定も「横ばい」中心

駐在員数の増減については、9割以上の企業が「過去1年間の変化」および「今後の予定」ともに「横ばい」と回答しています。
内訳として、過去1年間は「増加」2.0%、「横ばい」90.0%、「減少」8.0%、今後の予定は「増加」2.0%、「横ばい」94.0%、「減少」4.0%でした。

駐在員数が大きく動かない環境ほど、限られた駐在リソースで現地組織をどう支えるか(役割分担・権限設計)を明確化する必要があります。

画像引用:独立行政法人日本貿易振興機構

ポイント③:状況の好転を期待。撤退回避の心理が強い

ロシア事業を継続する理由として、「将来的に状況が好転することを期待しているため」が64.0%で最多でした。
次いで、「一度撤退すると、また参入するのが難しいため」48.0%が続きます。
その他のコメントとしては、「対ロ制裁の直接的な影響のない分野で既存事業を有している」「ポテンシャルの高い市場である」などが挙がっています。

“好転期待”が継続判断の中心にある局面では、撤退・再参入の難易度も踏まえたうえで、組織として中長期視点の意思決定基準を明確にしておくことが重要でしょう。

調査詳細

調査の目的

ロシアにおける日系企業活動の実態を把握し、その結果を広く提供することを目的とする。

調査対象

ロシアに進出する日系企業(日本側による直接、間接の出資比率が10%以上の現地法人または支店。駐在員事務所は対象外)。

調査時期

2025年(令和7年) 9月4日~9月24日

回収状況

78社に回答を依頼し、50社から有効回答を得た(有効回答率64.1%)。

 

概要

配信元:独立行政法人日本貿易振興機構

公開日:2025/12

ページ:43

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