女性社員の起用がカギ、海外駐在員の人材不足、企業の抱える課題とは?
トレンド
グローバル人材育成ニュース
今話題の「グローバル×人事関連」情報をお届け
政府は深刻な人手不足を外国人材で補う、特定技能制度の拡充に乗り出しました。
特定技能制度は、国内人材の確保が困難な産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れることを目的とする制度です。2028年度までの向こう5年間の受け入れ枠を82万人と従来の2.4倍に拡大させました。
本記事では今回の改訂のポイントを紹介します。人事部や海外事業部の方は、グローバル人材採用の参考記事としてお役立てください。
特定技能制度の拡充の具体策として、最長5年の期限がある「1号」において自動車運送業、鉄道、林業、木材産業の4分野を新たに追加し、計16分野とする方針です。自動車運送業では、日本の免許への切替、2種免許の取得・研修、日本語会話力、などいくつかの課題も残されています。
より熟練した技能を条件として期限なく延長でき、家族の呼び寄せも可能である「2号」の対象については、2023年8月に他分野にも範囲を拡大したものの、資格保有者は2023年末でなお37人にとどまっています。
政府は、人権侵害が疑われてきた実習制度の見直し、実習期間中の他企業への転籍を可能とします。さらに、実習生の特定技能1号への転換を強化し、外国人材を長く確保する方針を固めており、名称も、新たに「育成就労」制度とする方向です。
国立社会保障・人口問題研究所が昨年4月に公表した将来推計人口では、2070年の人口は8,700万人と、2023年の推計値1億2,441万人から30%の大幅減少となります。外国人の急速な増加を前提にしても、日本人口は2070年には30%減少、日本の潜在成長率は年平均で0.48%押し下げられ、仮に外国人が増加しない場合には0.62%押し下げられる推計であり、外国人の増加ペースは日本経済に大きな影響を与える事がわかります。
日本経済や国民の生活に強い逆風となる人口減少を緩和するためには、いまだ解決すべき課題ははらんでいるものの、外国人の受け入れ積極化が一つの解決策となるでしょう。
画像引用:Nomura Research Institute, Ltd.
円安進行の影響もあり、日本での就労のメリットは低下しています。「選ばれる日本」となるための鍵を握るのは、特定技能2号の大幅拡充ではないでしょうか。特定技能2号の最大の特徴は、在留期間に延長に制限がないことから事実上の永住が可能となる点です。経済の潜在力向上、日本国民の実質賃金上昇率向上をもたらすのは、長期間の労働力を提供し、家族を呼び寄せ暮らすことによる消費の増加や出生率の向上などに貢献する特定技能2号だと言えるでしょう。
外国人に職を奪われるとの懸念もなお根強いが、外国人材を受け入れることで、経済の潜在力と将来の成長期待が高まり、企業の設備投資が促進される事で経済全体の労働生産性が高まり、実質賃金上昇率が高まるはずなのです。外国人材受け入れによって、日本国民全体の生活の改善が期待できると言えるでしょう。
配信元:Nomura Research Institute, Ltd.
公開日:2024/04/04
次の記事
無料トライアルご希望の方、お見積もりはこちらからお問い合わせください