グローバル人材育成ニュース

世界で注目の人事理論やフレームワーク、
人材育成動向を解説

異⽂化理解のフレームワーク「カルチャーマップ 」を解説《台湾編》

グローバル事業成功のカギとなる異⽂化理解のフレームワーク「カルチャーマップ」から“台湾”をピックアップ!

台湾ビジネスのプロフェッショナルが指標毎に解説します。

資料ダウンロードはこちらから

カルチャーマップとは

カルチャーマップとは何か

カルチャーマップとは、エリン・メイヤー氏が世界有数のビジネススクール INSEADで教授を務める中で、同校のプログラム参加者である世界各地から集まったエグゼクティブから得た情報を検証し作成された、マネージャーが自覚しておくべき8つの指標において、67カ国の文化の相対的位置づけを示した分布モデルです。

カルチャーマップの8つの指標

01:コミュニケーション
・他者との対話において明確な物言いを好むか、含みのある物言いを好むか
⇒明確な物言いを好む文化=ローコンテクスト
含みのある物言いを好む文化=ハイコンテクスト

02:評価
・否定的なフィードバックをする際に、直接的に伝えるか、間接的に伝えるか

03:リード
・権力者に対する敬意・服従がどの程度見られるか
⇒敬意・服従の強い文化=階層主義的、弱い文化=平等主義的

04:決断
・意思決定をする際に「合意」をどの程度重視するか
⇒合意を重視する文化=合意志向、個人で決断をする文化=トップダウン

05:信頼
・信頼形成にあたり、「タスクの達成」を重視するか、カウンターパートとしての「関係性」を重視するか

06:見解の相違
・意見の対立を是とするか、非とするか

07:スケジューリング
・スケジュールを遵守するか、状況に合わせて柔軟に対応するか
⇒スケジュール遵守=直線的な時間、状況に合わせる=柔軟な時間

08:説得
・他者を説得する際、原理を根拠に話すか、事例を根拠に話すか

資料「カルチャーマップ」ダウンロードはこちらから 

「国別カルチャーマップ 台湾編」

資料概要

グローバルビジネスにおいて企業から多くよせられる相談のひとつに、「相⼿国の⽂化の理解がマネジメントのネックになっている」というものがあります。

グローバル環境で成果をあげていくためには、異⽂化を理解するための指標を持ち、その背景や要因を紐解いて柔軟に対応していく⼒を⾝につけておく必要があります。

インサイトアカデミーでは、独自にプロッティングした65か国の中から、この度“台湾”をピックアップし、8つの指標を説明するとともに、日本との違いを定量 / 定性の両面から分析し、台湾ビジネスのプロフェッショナルによる8つの指標毎の考察を盛り込んだ「国別カルチャーマップ 台湾編」をリリースいたしました。

日本との違いをより詳しく学ぶことで、どのような行動をとればよいのかのヒントが見つかるはずですので、台湾でビジネス展開をされている企業様はもちろん、仕事上で台湾の方とコミュニケーションをとる方など、台湾ビジネスに携わるすべての方におすすめの資料です。

「国別カルチャーマップ 台湾編」資料ダウンロードはこちらから 

資料目次

1. カルチャーマップとは
1-A エリンメイヤーとカルチャーマップ
1-B カルチャーマップ8つの指標

2. カルチャーマップ –台湾-
2-A コミュニケーション★
2-B 評価★
2-C リード
2-D 決断
2-E 信頼
2-F 見解の相違
2-G スケジューリング★
2-H 説得
2-I 日本&台湾文化特性比較

本記事では、上記項目の「★」印のプロフェッショナル講師による解説を公開します。

プロフェッショナル講師による「カルチャーマップ 台湾」の解説

講師紹介

富田 啓一朗氏
可可創意股份有限公司 總經理

スターツコーポレーション株式会社の駐在員、責任者として在台湾 15年、その後、上海、イスタンブール、モスクワ駐在の経験を経た後、台北にて独立。
元 JETRO中小企業海外進出コーディネーター、台北旭日ロータリークラブ創立会長。
在台湾20年以上の経験を活かし、致理科技大学応用日本語学科の臨時講師を務め、台湾人学生に日本企業文化についての講義を実施している。
2022年よりコワーキングスペース「One&Co」を運営する可可創意股份有限公司の總經理として、日本企業の台湾進出のサポートや、コンサルティングを行っている。

コミュニケーション

他者との対話において明確な物言いを好むか、含みのある物言いを好むか

▼ロ-コンテクスト
1.良いコミュニケーション=厳密・シンプル・明確
2.メッセージは額面通りに伝え、受け取る
3.コミュニケーション明確化のため、繰り返しも歓迎

▼ハイコンテクスト
1.良いコミュニケーション=繊細・含みがある・多層的
2.メッセージは行間で伝え、行間で受け取る
3.ほのめかしも多く、はっきりと口にすることが少ない

◎プロフェッショナル講師の解説
台湾は九州ほどの大きさ、人口 2,300 万人ほどですが、多民族国家です。

原住民が認定されているだけで14 族(人口比は約15%)、主に清の時代に大陸から渡ってきた、いわゆる台湾人が約 70%、客家人が約15%、そして戦後中国から蒋介石などと逃げてきた中国人(いわゆる外省人)が約10% です。

今では共通語である中国語(北京語)は誰でもできますが、このような多民族国家が背景にあることにより、コミュニケーションでは言葉や文字ではっきりと伝える必要があります。

評価

否定的なフィードバックをする際に、直接的に伝えるか、間接的に伝えるか

▼否定的なフィードバックを直接的に伝える
1.否定的なフィードバックは率直・単刀直入・正直に
2.否定的なフィードバックを肯定的なフィードバックで和らげることはしない
3.「間違いなく不適切だ」「全く以ってプロフェッショナルではない」といった断定的な表現が用いられる
4.批判はグループの前で個人に対し行われることもある

▼否定的なフィードバックを遠回しに伝える
1.否定的なフィードバックは柔らかく・さりげなく・やんわりと
2.肯定的なメッセージで否定的なメッセージを包み込む
3.「やや不適切だ」「少しプロフェッショナルではない」といった婉曲な表現が用いられる
4.批判は1対1でのみ行われる

◎プロフェッショナル講師の解説
“面子”を気にする人が非常に多いため、人前での叱責などは控えたほうがいいでしょう。
しかしながら否定的なフィードバックを遠回しに伝えるのでは、伝わらない可能性がとても高いです。1対1で、伝えるべきことははっきりと伝える必要がありますが、相手の反応を見ながら気遣う必要もあります。

私はトルコに駐在していたこともあるのですが、台湾人との類似性を感じることがあります。
台湾人はトルコ人同様、性格が明るい人が多く(ちなみに血液型は O 型が多い)、楽観的に物事を考える傾向がある、ということです。
しかし、それゆえに否定すべきことははっきりと否定しないと相手には理解されないため、注意が必要です。

スケジューリング

スケジュールを遵守するか、状況に合わせて柔軟に対応するか

▼直線的な時間
1.プロジェクトは連続的なもので、工程が一つずつ順番に進み、邪魔が入ることは想定されていない
2.締め切り、スケジュール通りに進むことが重要視される
3.組織性や迅速さに価値が置かれる

▼柔軟な時間
1.プロジェクトは流動的なもので、場当たり的、同時進行で複数の作業が進められ、邪魔が入ることも受容される
2.順応性と柔軟性に価値が置かれる

◎プロフェッショナル講師の解説
結婚式を例にすると、日本は決められた時間ぴったりに始まりますが、台湾では、以前はおおよそ 30 分〜1 時間は遅れて開始する傾向にありました。
しかし、ホテルでの結婚式が一般的になるにつれて、ぴったりとまではいきませんが予定時刻の 15 分以内には開始されるようになりました。

交通機関でいうと、日本のバス停留所には時刻表がありますが、台北では路線によっておおよそ「○分〜○分間隔」という表示があります。
これらの事例が日本との時間感覚の違いを表していると思います。
なお、バスについては間隔が表示されていても、前のバスが今行ったばかりなのか、すぐに来そうなのかはわかりません。
それを補うものが IT です。

停留所には路線ごとに何分後到着予定が電光表示されており、スマホのアプリからも確認することもできます。日本のバスは時刻表があっても遅れることがままあるので、台湾の方が合理的といえるでしょう。

資料ダウンロード

「国別カルチャーマップ 台湾編」ダウンロード

異⽂化理解のフレームワーク「カルチャーマップ」から“台湾”をピックアップし、8つの指標を説明するとともに、日本との違いを定量/定性の両面から分析し、台湾ビジネスのプロフェッショナルによる8つの指標毎の考察を盛り込んでいます。

ぜひ貴社の台湾ビジネスにおける異文化マネジメントにご活用ください。

資料ダウンロードはこちらから 

「カルチャーマップ」の関連講座《INSIGHT ACADEMY》

異文化理解概論

講師:岡田 昭人氏

東京外国語大学大学院総合国際学研究科教授
オックスフォード大学教育学博士

世界で結果を出すためには「日本人なら当然と考える価値観や思考習慣が、世界ではそのまま適用されない」という事実に気づくことが第一歩です。

本講座では、多角的な切り口で異文化を理解するために、異文化理解の指標や概念を学びます。
異文化を理解するためには、カルチャーアイスバーグを認識し、自文化と異なる文化との「比較の物差し」を持つことが重要です。
「比較の物差し」の一つとして、「カルチャーマップ」を活用することが効果的です。

その上で、自国の基準で評価するのではなく、対象国の価値観や思考習慣との違い(異文化)、その裏にある背景を捉えようとする姿勢を身に付けます。

サマリー動画はこちらから 

合わせて読みたい

grid

お問い合わせ

CONTACT

無料トライアルご希望の方、お見積もりはこちらからお問い合わせください

arrow
お問い合わせ