異⽂化理解のフレームワーク「カルチャーマップ 」を解説《ブラジル編》
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目次
ホフステードの6次元モデルとは、オランダの社会心理学者であるヘールト・ホフステード博士が、50年間調査を続け導き出した異文化理解の指標です。
ホフステード博士は1965年よりIBMの組織開発のため、72か国20言語11万6000人を対象とする意識調査を実施。
この調査結果を原点として、その後50年をかけてより精密な調査を進め、「権力格差」「個人主義/集団主義」「男性性/女性性」「不確実性の回避度」「長期志向/短期志向」「人生の楽しみ方」の6つの指標において各国を位置づけたものが6次元モデルです。
【異文化理解の代表的指標】ホフステードの6次元モデル -プロッティング版-

皆さんは、日本と海外の文化の違いを、ビジネスの場で明確に意識したことはあるでしょうか。
グローバルビジネスの現場では、国や地域によって価値観や行動様式が大きく異なります。
たとえば、意思決定の進め方、上司と部下の関係性、個人と組織のどちらを優先するかといった点には、国ごとの文化的な特徴が表れます。
こうした文化の違いを十分に理解しないまま海外展開を進めると、現地社員とのコミュニケーション、海外拠点のマネジメント、海外企業との交渉において、認識のズレやすれ違いが起こる可能性があります。
だからこそ、異文化理解を深め、日本と海外の文化の違いを体系的に把握することが重要です。
そこで役立つのが、各国の文化的な特徴を6つの観点から整理した「ホフステードの6次元モデル」です。
ホフステードの6次元モデルを活用することで、国ごとの価値観の違いを可視化し、異文化マネジメントやグローバル人材育成、海外赴任前研修などに役立てることができます。
グローバル人材の育成や海外ビジネスの成功に向けて、まずはホフステードの6次元モデルを通じて、文化の違いを正しく理解することが重要です。
①権力格差:社会における不平等の測定
それぞれの国の制度や組織において、権力の弱いものが権力を受け入れている度合。一般に先進国は権力格差は小さい傾向にある。
日本はアジアでは一番権力格差が小さいが、欧米各国との比較では相対的に大きい。
②個人主義 / 集団主義:集団を尊重するか、個人の利益を優先するかの指標
日本は欧米諸国に比べると集団主義の傾向にあるが、アジア・中南米諸国に比べると身内意識や面子のこだわりは薄い。
③男性性 / 女性性:人生において何を重要とするかの指標
人間関係と生活の質を重要視し、男女のあるべき姿を区別しない社会は女性性が強く、挑戦・収入・評価と出世を重要視し、男性と女性のあるべき姿を明確に区別する社会は男性性が強い。日本は最も男性性が強い国の一つ。
④不確実性の回避度:ある文化の成員が、曖昧な状況や未知の状況に対して脅威を感じる度合
日本は不確実性の回避度合が非常に高い国に分類される。
⑤長期志向 / 短期志向:今すぐ結果を求めるのか、先を見据えて投資をするのか等、見通しのスパンを示す指標
長期志向は現実性・実用性から将来を思考、短期志向は普遍的規範・原理原則で現在を思考する。
日本企業は(昨今変化しつつあるものの、かつては特に)長期的な成功を見据えてビジネスを展開していた。
⑥人生の楽しみ方:人生を楽しんだり、喜びを追究することへの許容度の指標
日本はやや抑制的な国に位置し、安全安心が保証されているにも関わらず、幸福度は低い傾向にある。
海外ビジネスを進めるうえで、相手国の文化的な傾向を把握することは、現地社員のマネジメントや海外企業とのコミュニケーションを円滑にするうえで重要です。
本資料「ホフステードの6次元モデル」では、異文化理解に役立つ6つの指標をわかりやすく整理し、各指標の意味を確認できる構成になっています。
さらに、調査対象72か国のスコアを指標ごとに一覧化しているため、日本と各国の違いを比較しながら、対象国の特徴を相対的に把握することができます。
たとえば、海外赴任前研修、グローバル人材育成、海外拠点マネジメント、現地社員との関係構築、海外企業との交渉準備など、さまざまな場面でご活用いただけます。
国ごとの文化の違いを定量的に理解することで、実務に活かせる示唆を得やすくなり、グローバルビジネスにおける意思決定や対応の精度向上にもつながります。
6次元モデルの1つの指標である「長期志向/短期志向」では、日本とアメリカには大きな差が見られます。
日本は長期志向にかなり寄っているのに対し、アメリカでは短期志向が強く、今すぐの結果を求める傾向にあります。
上記傾向を支持するデータの一つとして、日米の勤続年数の差を見てみましょう。

上表のとおり、アメリカでは、短期的な視点で、より良い待遇や環境を求めて転職する雇用者が多く「1年未満で退職」する雇用者の割合が22.9%と、日本に比べ非常に高くなっています。(日本は7.9%)
もし、みなさんがアメリカで新たに人材を雇用しようとするのであれば、日本との文化の違いを踏まえた上で制度を設計していく必要があり、仮に日本と同様の採用基準で雇ってしまうと、想定より転職者が増え、すぐに人手不足を発生させてしまうようなことになりかねません。
このように人事的な側面においても、ホフステードの6次元モデルは十分に活用することができます。
上表:「数字から見た各国の人事労務 アメリカ編」
ダウンロードはこちら

日本の文化・価値観をホフステードの6つの指標に位置づけてみると上表のようになりますが、以下のような特徴を発見することができます。
・権力格差は平均より強い
・世界で男性性の傾向が最も強い国の一つ
・不確実性の回避度が高い
・長期志向の文化
例えば、日本は不確実性の回避度が非常に高い国のため、規則やルールを設定し、構造化された環境を求める傾向にあります。
こういったルールの徹底がメイドインジャパンの品質の高さにもつながっていると言われています。
また一方で、不確実性の回避度が低い国の代表としては、スウェーデンやイギリスが挙げられます。
こういった国は、失敗やリスクに対して、寛容なところがありますので、冒頭のコロナ対策の違いは、この差から発生しているのかもしれません。
本資料では、各指標の説明と、調査対象となっている72か国を順にプロッティングしております。
貴社の進出国の指標を理解し日本との違いを定量的に把握することで、対象国でのビジネスにおいてどのような行動をとればよいのかのヒントとなるはずです。
本資料を通じて、海外駐在予定者・海外駐在者にとってはダイバーシティを視野にいれた海外ビジネス推進の、人事や海外事業部の方々にとっては異文化を超えたグローバル人材の人員配置や育成計画策定の最強なコンパスを手に入れてみませんか?
講師:岡田 昭人氏
東京外国語大学大学院総合国際学研究科教授
オックスフォード大学教育学博士
世界で結果を出すためには「日本人なら当然と考える価値観や思考習慣が、世界ではそのまま適用されない」という事実に気づくことが第一歩です。
本講座では、多角的な切り口で異文化を理解するために、異文化理解の指標や概念を学びます。
異文化を理解するためには、カルチャーアイスバーグを認識し、自文化と異なる文化との「比較の物差し」を持つことが重要です。
「比較の物差し」の一つとして、「カルチャーマップ」を活用することが効果的です。
その上で、自国の基準で評価するのではなく、対象国の価値観や思考習慣との違い(異文化)、その裏にある背景を捉えようとする姿勢を身に付けます。
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