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異文化理解のフレームワーク「カルチャーマップ」を解説《カナダ編》

グローバル事業成功のカギとなる異⽂化理解のフレームワーク「カルチャーマップ」から”カナダ”をピックアップ!

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カルチャーマップとは

カルチャーマップとは何か

カルチャーマップとは、エリン・メイヤー氏が世界有数のビジネススクール INSEADで教授を務める中で、同校のプログラム参加者である世界各地から集まったエグゼクティブから得た情報を検証し作成された、マネージャーが自覚しておくべき8つの指標において、67カ国の文化の相対的位置づけを示した分布モデルです。

カルチャーマップの8つの指標

01:コミュニケーション
・他者との対話において明確な物言いを好むか、含みのある物言いを好むか
⇒明確な物言いを好む文化=ローコンテクスト
含みのある物言いを好む文化=ハイコンテクスト

02:評価
・否定的なフィードバックをする際に、直接的に伝えるか、間接的に伝えるか

03:リード
・権力者に対する敬意・服従がどの程度見られるか
⇒敬意・服従の強い文化=階層主義的、弱い文化=平等主義的

04:決断
・意思決定をする際に「合意」をどの程度重視するか
⇒合意を重視する文化=合意志向、個人で決断をする文化=トップダウン

05:信頼
・信頼形成にあたり、「タスクの達成」を重視するか、カウンターパートとしての「関係性」を重視するか

06:見解の相違
・意見の対立を是とするか、非とするか

07:スケジューリング
・スケジュールを遵守するか、状況に合わせて柔軟に対応するか
⇒スケジュール遵守=直線的な時間、状況に合わせる=柔軟な時間

08:説得
・他者を説得する際、原理を根拠に話すか、事例を根拠に話すか

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「国別カルチャーマップ カナダ編」

資料概要

グローバルビジネスにおいて企業から多くよせられる相談のひとつに、「相⼿国の⽂化の理解がマネジメントのネックになっている」というものがあります。

グローバル環境で成果をあげていくためには、異⽂化を理解するための指標を持ち、その背景や要因を紐解いて柔軟に対応していく⼒を⾝につけておく必要があります。

インサイトアカデミーでは、独自にプロッティングした65か国の中から、この度”カナダ“をピックアップし、8つの指標を説明するとともに、日本との違いを定量 / 定性の両面から分析し、カナダビジネスにおける日本との比較考察も指標毎に併せて盛り込んだ「国別カルチャーマップ カナダ編」をリリースいたしました。

日本との違いをより詳しく学ぶことで、どのような行動をとればよいのかのヒントが見つかるはずですので、カナダでビジネス展開をされている企業様はもちろん、仕事上でカナダの方とコミュニケーションをとる方など、カナダビジネスに携わるすべての方におすすめの資料です。

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資料目次

1. カルチャーマップとは
1-A エリンメイヤーとカルチャーマップ
1-B カルチャーマップ8つの指標

2. カルチャーマップ –カナダ-
2-A コミュニケーション★
2-B 評価★
2-C リード
2-D 決断
2-E 信頼
2-F 見解の相違
2-G スケジューリング★
2-H 説得
2-I 日本&カナダ文化特性比較

本記事では、上記項目の「★」印のカナダ ビジネスにおける日本との比較考察を公開します。

カナダ ビジネスにおける日本との比較考察

コミュニケーション

他者との対話において明確な物言いを好むか、含みのある物言いを好むか

▼ロ-コンテクスト
1.良いコミュニケーション=厳密・シンプル・明確
2.メッセージは額面通りに伝え、受け取る
3.コミュニケーション明確化のため、繰り返しも歓迎

▼ハイコンテクスト
1.良いコミュニケーション=繊細・含みがある・多層的
2.メッセージは行間で伝え、行間で受け取る
3.ほのめかしも多く、はっきりと口にすることが少ない

◎カナダ/日本 の比較考察

会議の場面で日本との差を感じやすいのは、カナダ側との仕事では「相手が察してくれること」に過度に依存せず、自分の意見や依頼事項を言葉にして確認することが有効な点です。たとえば日本側が「このスケジュールだと少し厳しいかもしれません」と伝え、実質的には「日程を変更してほしい」という意味を含ませたつもりでも、相手によっては「厳しいが実行可能なのだろう」と受け取られる可能性があります。逆にカナダ側から「I don’t think this will work.」など比較的明確に反対意見を示されても、それだけで人間関係の悪化を意味するとは限りません。

カナダは日本よりかなりローコンテクスト側、日本はハイコンテクスト側に配置されています。ただし、「カナダ人は空気を読まない」と解釈すると実務を誤ります。カナダでも相手への配慮や文脈は重要であり、地域、使用言語、業界、企業規模、組織文化によっても違いがあるため、「カナダ人は直接的」と一括りにするのは避けるべきです。違いが出やすいのは、重要な業務情報をどこまで言葉にして共有するかという点です。

実際の会議では、「皆さんどうでしょうか」と反応を待つだけでなく、「私はA案を提案します。Johnさんはコスト面、Sarahさんは納期面からどう見ますか」と論点や確認相手を具体的に示すと進めやすくなります。また、会議後に決定事項、未決事項、担当者、期限を短いメールなどで確認することも有効です。日本側に必要なのは関係性や含みを捨てることではなく、相手との関係性に配慮しながら、業務上重要な期待値については言語化して確認するという切り替えです。

評価

否定的なフィードバックをする際に、直接的に伝えるか、間接的に伝えるか

▼否定的なフィードバックを直接的に伝える
1.否定的なフィードバックは率直・単刀直入・正直に
2.否定的なフィードバックを肯定的なフィードバックで和らげることはしない
3.「間違いなく不適切だ」「全く以ってプロフェッショナルではない」といった断定的な表現が用いられる
4.批判はグループの前で個人に対し行われることもある

▼否定的なフィードバックを遠回しに伝える
1.否定的なフィードバックは柔らかく・さりげなく・やんわりと
2.肯定的なメッセージで否定的なメッセージを包み込む
3.「やや不適切だ」「少しプロフェッショナルではない」といった婉曲な表現が用いられる
4.批判は1対1でのみ行われる

◎カナダ/日本 の比較考察

日本と比較すると、カナダ側では問題点や改善要求を比較的明確に言葉にする場面が想定されます。ただし、否定的な内容を強くぶつけたり、相手を公の場で厳しく責めたりすることとは別です。一方、日本側が配慮して「もう少し工夫できるかもしれませんね」とだけ伝えると、相手には「できれば改善してほしい」程度に聞こえ、実際には大幅な修正を求めていた上司との間に認識差が残る可能性があります。

カナダはほぼ中間付近、日本はかなり「遠回しに伝える」側に配置されています。ここで重要なのは前述のコミュニケーション軸ほど両国の距離が大きくないことです。そのため、「カナダでは否定的な評価を常にストレートに伝える」と理解するのは適切ではありません。「Your work is not good.」のように人全体を評価するより、「The analysis needs more evidence.」のように、改善可能な行動や成果物に対象を限定する方が実務では機能しやすいでしょう。

日本人マネージャーがカナダ人部下に評価を伝える場合は、配慮を減らすのではなく、配慮を維持したまま改善要求を明確にすることがポイントです。「顧客提出前に市場データを二つ追加し、金曜日までに改訂してほしい」のように、対象・期待水準・期限を示すと認識差を抑えやすくなります。逆にカナダ側から明確な指摘を受けた日本側も、それだけで「怒っている」「関係が悪化した」と判断せず、内容への指摘と個人への評価を分けて受け止めることが有効です。

スケジューリング

スケジュールを遵守するか、状況に合わせて柔軟に対応するか

▼直線的な時間
1.プロジェクトは連続的なもので、工程が一つずつ順番に進み、邪魔が入ることは想定されていない
2.締め切り、スケジュール通りに進むことが重要視される
3.組織性や迅速さに価値が置かれる

▼柔軟な時間
1.プロジェクトは流動的なもので、場当たり的、同時進行で複数の作業が進められ、邪魔が入ることも受容される
2.順応性と柔軟性に価値が置かれる

◎カナダ/日本 の比較考察

プロジェクトを一緒に進める際、日本とカナダは「時間を守る」という点だけを見れば、必ずしも大きく対立するわけではありません。カナダでも会議時刻や提出期限は仕事上の約束として重視されますし、「金曜日まで」と合意したものは金曜日が一つの明確な基準になります。日本は「直線的な時間」側に位置し、カナダは日本より「柔軟な時間」側に配置されていますが、これは「日本人は時間に正確で、カナダ人は時間にルーズ」という意味ではありません。この軸で注目したいのは、一度決めた計画や順序をどこまで維持するか、状況が変わったときにどこまで予定を組み替えるかという違いです。

カナダ側との協働では、期限そのものは維持しながらも、状況に応じて「この作業を先にしよう」「この議題は次回に回そう」と途中の進め方を調整することへの抵抗感に差が出る可能性があります。たとえば1時間の会議でも、予定していた議題をすべて消化することより、重要な論点に時間を使い、残った議題を次回に回す方が合理的だと判断される場合があります。ただし、こうした進め方は企業、業界、職種、案件によって異なります。

日加間で特に注意したいのは、「できるだけ早く」「来週あたり」「状況を見ながら」といった曖昧な時間表現です。具体的な日付や時間まで明示した方が認識差を抑えやすくなります。同時に「顧客への提出日は○/○で固定だが、ドラフト提出日は変更可能」のように、何が固定で何が変更可能なのかを最初に確認することも重要です。問題が起きた際も、納期直前まで内部だけで調整するのではなく、早い段階で選択肢を共有すると協働しやすくなります。

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異⽂化理解のフレームワーク「カルチャーマップ」から”カナダ”をピックアップし、8つの指標を説明するとともに、日本との違いを定量/定性の両面から分析し、8つの指標毎の考察を盛り込んでいます。

ぜひ貴社のカナダビジネスにおける異文化マネジメントにご活用ください。

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「カルチャーマップ」の関連講座《INSIGHT ACADEMY》

異文化理解概論

講師:岡田 昭人氏

東京外国語大学大学院総合国際学研究科教授
オックスフォード大学教育学博士

世界で結果を出すためには「日本人なら当然と考える価値観や思考習慣が、世界ではそのまま適用されない」という事実に気づくことが第一歩です。

本講座では、多角的な切り口で異文化を理解するために、異文化理解の指標や概念を学びます。
異文化を理解するためには、カルチャーアイスバーグを認識し、自文化と異なる文化との「比較の物差し」を持つことが重要です。
その上で、自国の基準で評価するのではなく、対象国の価値観や思考習慣との違い(異文化)、その裏にある背景を捉えようとする姿勢を身に付けます。

サマリー動画はこちらから

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