異文化理解のフレームワーク「カルチャーマップ」を解説《メキシコ編》
異文化理解
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人材育成動向を解説
目次
グローバル事業成功のカギとなる異⽂化理解のフレームワーク「カルチャーマップ」から”インドネシア”をピックアップ!
インドネシアビジネスのプロフェッショナルが指標毎に解説します。

カルチャーマップとは、エリン・メイヤー氏が世界有数のビジネススクール INSEADで教授を務める中で、同校のプログラム参加者である世界各地から集まったエグゼクティブから得た情報を検証し作成された、マネージャーが自覚しておくべき8つの指標において、67カ国の文化の相対的位置づけを示した分布モデルです。
01:コミュニケーション
・他者との対話において明確な物言いを好むか、含みのある物言いを好むか
⇒明確な物言いを好む文化=ローコンテクスト
含みのある物言いを好む文化=ハイコンテクスト
02:評価
・否定的なフィードバックをする際に、直接的に伝えるか、間接的に伝えるか
03:リード
・権力者に対する敬意・服従がどの程度見られるか
⇒敬意・服従の強い文化=階層主義的、弱い文化=平等主義的
04:決断
・意思決定をする際に「合意」をどの程度重視するか
⇒合意を重視する文化=合意志向、個人で決断をする文化=トップダウン
05:信頼
・信頼形成にあたり、「タスクの達成」を重視するか、カウンターパートとしての「関係性」を重視するか
06:見解の相違
・意見の対立を是とするか、非とするか
07:スケジューリング
・スケジュールを遵守するか、状況に合わせて柔軟に対応するか
⇒スケジュール遵守=直線的な時間、状況に合わせる=柔軟な時間
08:説得
・他者を説得する際、原理を根拠に話すか、事例を根拠に話すか
グローバルビジネスにおいて企業から多くよせられる相談のひとつに、「相⼿国の⽂化の理解がマネジメントのネックになっている」というものがあります。
グローバル環境で成果をあげていくためには、異⽂化を理解するための指標を持ち、その背景や要因を紐解いて柔軟に対応していく⼒を⾝につけておく必要があります。
インサイトアカデミーでは、独自にプロッティングした65か国の中から、この度”インドネシア“をピックアップし、8つの指標を説明するとともに、日本との違いを定量 / 定性の両面から分析し、インドネシアビジネスにおける日本との比較考察も指標毎に併せて盛り込んだ「国別カルチャーマップ インドネシア編」をリリースいたしました。
日本との違いをより詳しく学ぶことで、どのような行動をとればよいのかのヒントが見つかるはずですので、インドネシアでビジネス展開をされている企業様はもちろん、仕事上でインドネシアの方とコミュニケーションをとる方など、インドネシアビジネスに携わるすべての方におすすめの資料です。
「国別カルチャーマップ インドネシア編」資料ダウンロードはこちらから
1. カルチャーマップとは
1-A エリンメイヤーとカルチャーマップ
1-B カルチャーマップ8つの指標
2. カルチャーマップ –インドネシア-
2-A コミュニケーション★
2-B 評価★
2-C リード
2-D 決断
2-E 信頼
2-F 見解の相違
2-G スケジューリング★
2-H 説得
2-I 日本&インドネシア文化特性比較
本記事では、上記項目の「★」印のインドネシア ビジネスにおける日本との比較考察を公開します。
他者との対話において明確な物言いを好むか、含みのある物言いを好むか
▼ロ-コンテクスト
1.良いコミュニケーション=厳密・シンプル・明確
2.メッセージは額面通りに伝え、受け取る
3.コミュニケーション明確化のため、繰り返しも歓迎
▼ハイコンテクスト
1.良いコミュニケーション=繊細・含みがある・多層的
2.メッセージは行間で伝え、行間で受け取る
3.ほのめかしも多く、はっきりと口にすることが少ない

◎インドネシア/日本 の比較考察
会議の場面で特に表れやすいのは、相手の発言そのものだけでなく、その場の関係性や空気を丁寧に見ながら話が進む点です。初回商談や関係形成段階では、強く否定したり真正面から「それは無理です」と言い切ったりするよりも、「検討します」「社内で確認します」「もう少し時間が必要です」といった表現で余地を残す場面が見られます。特に上席者が同席している会議では、若手や中堅が懸念をその場で明確に言わず、会議後に個別チャットや非公式の場で補足してくることもあります。
日本人から見ると一見近い感覚にも見えますが、同じハイコンテクストでも注意が向く先は異なります。日本企業が「相手も同じように察してくれるはず」と考えると誤解が起きます。日本側が曖昧に依頼した場合、相手が関係を悪くしないよう肯定的に受け止めた返事をしつつ、実際には優先順位、期限、責任者が明確になっていないまま進捗が止まることがあります。
交渉では、会議中の発言だけで判断せず、会議後に「今日の理解はこうで合っていますか」「懸念があれば別途教えてください」と柔らかく確認することが大切です。担当者、期限、確認方法を明確にしながら、「言葉に出ない懸念を拾う設計」を会議運営に組み込むことが重要です。
否定的なフィードバックをする際に、直接的に伝えるか、間接的に伝えるか
▼否定的なフィードバックを直接的に伝える
1.否定的なフィードバックは率直・単刀直入・正直に
2.否定的なフィードバックを肯定的なフィードバックで和らげることはしない
3.「間違いなく不適切だ」「全く以ってプロフェッショナルではない」といった断定的な表現が用いられる
4.批判はグループの前で個人に対し行われることもある
▼否定的なフィードバックを遠回しに伝える
1.否定的なフィードバックは柔らかく・さりげなく・やんわりと
2.肯定的なメッセージで否定的なメッセージを包み込む
3.「やや不適切だ」「少しプロフェッショナルではない」といった婉曲な表現が用いられる
4.批判は1対1でのみ行われる

◎インドネシア/日本 の比較考察
部下や取引先に改善点を伝える場面で戸惑いやすいのは、インドネシア側が表面的には穏やかに受け止めているように見えても、状況によっては「人前で恥をかかされた」と受け止められる可能性があることです。会議中に日本側が「この資料は不十分です」「なぜ遅れたのですか」とその場で指摘すると、個人の面子を傷つける言い方に聞こえることがあります。否定的な評価ほど「全体会議では方向性だけ」「個別面談で具体論」という分け方をした方が、改善につながりやすいといえます。
日本では、厳しい指摘を育成の一部と捉えたり会議で課題を明確にすることを重視したりする場面がある一方、インドネシア側では、指摘内容が正しくても伝え方や場の設定によっては関係を損なうリスクがあります。評価・改善場面では「誰の前で、どの表情で、どの順番で伝えるか」を丁寧に設計しておく方が安全です。
具体的には、先に「ここまで対応してくれて助かっている」と関係を確認し、その後で「次回はこの部分を一緒に直したい」と範囲を絞ると、改善行動につながりやすくなります。インドネシアとの評価・育成では、相手が面子を保ったまま改善に向かえる導線を作り、同時に次の期待行動を明確にすることがマネジメント上の実効性を左右します。
スケジュールを遵守するか、状況に合わせて柔軟に対応するか
▼直線的な時間
1.プロジェクトは連続的なもので、工程が一つずつ順番に進み、邪魔が入ることは想定されていない
2.締め切り、スケジュール通りに進むことが重要視される
3.組織性や迅速さに価値が置かれる
▼柔軟な時間
1.プロジェクトは流動的なもので、場当たり的、同時進行で複数の作業が進められ、邪魔が入ることも受容される
2.順応性と柔軟性に価値が置かれる

◎インドネシア/日本 の比較考察
納期や会議時刻の扱いで戸惑いやすいのは、インドネシア側が時間を軽く見ているというより、予定を固定された「線」として扱うだけでなく、交通事情、宗教行事、行政手続き、現場都合を見ながら調整する場面があることです。日本側は「10時開始なら10時に全員そろう」前提で準備しがちですが、途中工程や打ち合わせ調整では、予定を大切にしつつも状況に合わせて組み替える場面があります。
インドネシアはスケジューリング軸で日本よりも柔軟な時間側に置かれています。インドネシア側とのやり取りでは、予定変更が生じても、それが直ちに信頼を軽く見ているという意味になるとは限りません。ただし、重要な納期や政府提出、顧客納品は当然重く扱われるため、変更理由、影響範囲、代替案を早めに共有する仕組みが必要です。
具体的には、「金曜正午にドラフト、月曜朝に最終、未確認点は赤字で共有」という中間確認を置くことが有効です。インドネシアとのスケジューリングでは、時間感覚の違いを個人の問題にせず、余白を持った工程設計、中間マイルストーン、代替案、現地行事への配慮を組み込むことが大切です。
異⽂化理解のフレームワーク「カルチャーマップ」から”インドネシア”をピックアップし、8つの指標を説明するとともに、日本との違いを定量/定性の両面から分析し、インドネシアビジネスのプロフェッショナルによる8つの指標毎の考察を盛り込んでいます。
ぜひ貴社のインドネシアビジネスにおける異文化マネジメントにご活用ください。
講師:岡田 昭人氏
東京外国語大学大学院総合国際学研究科教授
オックスフォード大学教育学博士

世界で結果を出すためには「日本人なら当然と考える価値観や思考習慣が、世界ではそのまま適用されない」という事実に気づくことが第一歩です。
本講座では、多角的な切り口で異文化を理解するために、異文化理解の指標や概念を学びます。
異文化を理解するためには、カルチャーアイスバーグを認識し、自文化と異なる文化との「比較の物差し」を持つことが重要です。
その上で、自国の基準で評価するのではなく、対象国の価値観や思考習慣との違い(異文化)、その裏にある背景を捉えようとする姿勢を身に付けます。
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