異文化理解のフレームワーク「カルチャーマップ」を解説《メキシコ編》
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人材育成動向を解説
目次
グローバル事業成功のカギとなる異⽂化理解のフレームワーク「カルチャーマップ」から“イギリス”をピックアップ!
イギリスビジネスのプロフェッショナルが指標毎に解説します。

カルチャーマップとは、エリン・メイヤー氏が世界有数のビジネススクール INSEADで教授を務める中で、同校のプログラム参加者である世界各地から集まったエグゼクティブから得た情報を検証し作成された、マネージャーが自覚しておくべき8つの指標において、67カ国の文化の相対的位置づけを示した分布モデルです。
01:コミュニケーション
・他者との対話において明確な物言いを好むか、含みのある物言いを好むか
⇒明確な物言いを好む文化=ローコンテクスト
含みのある物言いを好む文化=ハイコンテクスト
02:評価
・否定的なフィードバックをする際に、直接的に伝えるか、間接的に伝えるか
03:リード
・権力者に対する敬意・服従がどの程度見られるか
⇒敬意・服従の強い文化=階層主義的、弱い文化=平等主義的
04:決断
・意思決定をする際に「合意」をどの程度重視するか
⇒合意を重視する文化=合意志向、個人で決断をする文化=トップダウン
05:信頼
・信頼形成にあたり、「タスクの達成」を重視するか、カウンターパートとしての「関係性」を重視するか
06:見解の相違
・意見の対立を是とするか、非とするか
07:スケジューリング
・スケジュールを遵守するか、状況に合わせて柔軟に対応するか
⇒スケジュール遵守=直線的な時間、状況に合わせる=柔軟な時間
08:説得
・他者を説得する際、原理を根拠に話すか、事例を根拠に話すか
グローバルビジネスにおいて企業から多くよせられる相談のひとつに、「相⼿国の⽂化の理解がマネジメントのネックになっている」というものがあります。
グローバル環境で成果をあげていくためには、異⽂化を理解するための指標を持ち、その背景や要因を紐解いて柔軟に対応していく⼒を⾝につけておく必要があります。
インサイトアカデミーでは、独自にプロッティングした65か国の中から、この度“イギリス”をピックアップし、8つの指標を説明するとともに、日本との違いを定量 / 定性の両面から分析し、イギリスビジネスにおける日本との比較考察も指標毎に併せて盛り込んだ「国別カルチャーマップ イギリス編」をリリースいたしました。
日本との違いをより詳しく学ぶことで、どのような行動をとればよいのかのヒントが見つかるはずですので、イギリスでビジネス展開をされている企業様はもちろん、仕事上でイギリスの方とコミュニケーションをとる方など、イギリスビジネスに携わるすべての方におすすめの資料です。
「国別カルチャーマップ イギリス編」資料ダウンロードはこちらから
1. カルチャーマップとは
1-A エリンメイヤーとカルチャーマップ
1-B カルチャーマップ8つの指標
2. カルチャーマップ –イギリス-
2-A コミュニケーション★
2-B 評価★
2-C リード
2-D 決断
2-E 信頼
2-F 見解の相違
2-G スケジューリング★
2-H 説得
2-I 日本&イギリス文化特性比較
本記事では、上記項目の「★」印のイギリス ビジネスにおける日本との比較考察を公開します。
他者との対話において明確な物言いを好むか、含みのある物言いを好むか
▼ロ-コンテクスト
1.良いコミュニケーション=厳密・シンプル・明確
2.メッセージは額面通りに伝え、受け取る
3.コミュニケーション明確化のため、繰り返しも歓迎
▼ハイコンテクスト
1.良いコミュニケーション=繊細・含みがある・多層的
2.メッセージは行間で伝え、行間で受け取る
3.ほのめかしも多く、はっきりと口にすることが少ない

◎イギリス/日本 の比較考察
英国のビジネス場面では、論点や前提条件を比較的明確に言葉にする一方で、相手との関係性や場の緊張を考慮し、否定や反対を婉曲に表す場面があります。たとえば、相手が“That’s interesting.”や“We may need to think about it.”と言った場合、日本側は『前向きに検討してくれている』と受け止めがちですが、表現単体では判断できません。文脈、追加質問の有無、次のアクション設定、相手の意思決定権限によっては、慎重姿勢や懸念、場合によっては否定に近い含みを持つことがあります。
ただし、この傾向を英国全体の国民性として断定するのは避けた方が安全です。英国では英語が中心である一方、一部地域ではウェールズ語やゲール語等も使われ、地域差や都市部と地方部の違いを含めて見る必要があります。
日本側が特に注意したいのは、相手の意図を含みで推測するだけでなく、論点、判断材料、責任範囲を言葉で確認する必要がある点です。会議後には、決まったこと、未決事項、懸念点、次の確認者を短く文書化するのが有効です。
否定的なフィードバックをする際に、直接的に伝えるか、間接的に伝えるか
▼否定的なフィードバックを直接的に伝える
1.否定的なフィードバックは率直・単刀直入・正直に
2.否定的なフィードバックを肯定的なフィードバックで和らげることはしない
3.「間違いなく不適切だ」「全く以ってプロフェッショナルではない」といった断定的な表現が用いられる
4.批判はグループの前で個人に対し行われることもある
▼否定的なフィードバックを遠回しに伝える
1.否定的なフィードバックは柔らかく・さりげなく・やんわりと
2.肯定的なメッセージで否定的なメッセージを包み込む
3.「やや不適切だ」「少しプロフェッショナルではない」といった婉曲な表現が用いられる
4.批判は1対1でのみ行われる

◎イギリス/日本 の比較考察
英国のビジネス場面では、評価面談やレビュー会議での否定的フィードバックが、表現上は丁寧で落ち着いていても、実務上は明確な修正要求を含む場合があります。例えば、資料に対して“It might be worth revisiting this part.”と言われた場合、日本語感覚では「少し見直してもよいかもしれない」程度に聞こえることがありますが、文脈や会議の位置付けによっては、改善や修正を求める意図が含まれていることがあります。そのため、「修正が必要な指摘なのか」「優先度はどの程度か」をその場で確認することが重要です。
英国は日本よりも相対的に直接的な否定的フィードバック寄りに位置付けられています。ただし場面によっては、相手への配慮を保ちながら改善点を伝えることがあります。
評価の場では、何が達成され、何が不足し、次に何を改善するのかを分けて示す方が伝わりやすくなります。否定的フィードバックは人格評価ではなく、業務や成果物に結び付けて伝えることが有効です。例えば、「この分析は弱い」ではなく、「市場データの裏付けが不足しているため、次回までに競合比較を追加してほしい」と伝える方が、具体的な行動につながります。
スケジュールを遵守するか、状況に合わせて柔軟に対応するか
▼直線的な時間
1.プロジェクトは連続的なもので、工程が一つずつ順番に進み、邪魔が入ることは想定されていない
2.締め切り、スケジュール通りに進むことが重要視される
3.組織性や迅速さに価値が置かれる
▼柔軟な時間
1.プロジェクトは流動的なもので、場当たり的、同時進行で複数の作業が進められ、邪魔が入ることも受容される
2.順応性と柔軟性に価値が置かれる

◎イギリス/日本 の比較考察
英国側との業務では、時間枠、期限、担当範囲を明確にしながら進めることが重視される場面があります。会議の開始/終了時刻、アジェンダ、次のアクションをあらかじめ共有し、その時間内で何を決めるのかを明確にして進めることが有効です。日本に見られる「関係者が追加対応して全体の帳尻を合わせる」という進め方は、相手側に当然の前提として共有されていない場合があります。
マップ上では、英国は日本より相対的に直線的時間寄りに置かれています。違いとしては、期限そのものよりも「誰が」「いつまでに」「何をするのか」を明確にすることが重視される点にあります。時間厳守というより、約束した時間枠を尊重し、変更が必要な場合は早めに共有するという考え方に近いでしょう。
実務で起きやすい誤解は、日本側が「まだ社内調整中です」と伝え続けることで、英国側が予定を組みにくくなることです。回答予定日や現在の状況を共有した方が安心感につながります。日本側は、早い段階でマイルストーンを設定し、遅れる可能性がある場合は理由・影響・代替日をセットで伝えることです。
異⽂化理解のフレームワーク「カルチャーマップ」から“イギリス”をピックアップし、8つの指標を説明するとともに、日本との違いを定量/定性の両面から分析し、イギリスビジネスのプロフェッショナルによる8つの指標毎の考察を盛り込んでいます。
ぜひ貴社のイギリスビジネスにおける異文化マネジメントにご活用ください。

講師:岡田 昭人氏
東京外国語大学大学院総合国際学研究科教授
オックスフォード大学教育学博士

世界で結果を出すためには「日本人なら当然と考える価値観や思考習慣が、世界ではそのまま適用されない」という事実に気づくことが第一歩です。
本講座では、多角的な切り口で異文化を理解するために、異文化理解の指標や概念を学びます。
異文化を理解するためには、カルチャーアイスバーグを認識し、自文化と異なる文化との「比較の物差し」を持つことが重要です。
その上で、自国の基準で評価するのではなく、対象国の価値観や思考習慣との違い(異文化)、その裏にある背景を捉えようとする姿勢を身に付けます。
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