2025年度 海外進出日系企業実態調査(アフリカ編)
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中南米に進出する日系企業の動向を見ると、事業の拡大余地はなお大きく、同時に人材育成の重点も変わりつつあることがわかります。
これからは、単に駐在員を配置するだけでなく、現地需要を捉える事業運営、サプライチェーンの再設計、競争優位を生む現地組織づくりを担える人材の育成が重要になります。
本記事では、中南米における日系企業の実態調査についてご紹介します。
2025年の営業利益見込みは、中南米全体で黒字企業が7割を超えました。
なかでもブラジルは域内でも高い水準で、アルゼンチンも改善傾向が示されています。
営業利益が改善する理由としては、各国共通で「現地市場での需要増加」が最も多く挙げられており、現地需要の強さが事業を支えている状況です。
一方で、悪化要因としては人件費上昇や需要減少も挙がっており、収益環境は堅調ながらも国ごとの条件差がみられます。
画像引用:独立行政法人日本貿易振興機構
現地の労働市場における人材確保状況は、直近2年間でブラジルの悪化が特に顕著で、唯一「悪化」が4割を超えました。
職種別では、コロンビアを除くすべての国で「スタッフ・ワーカー」の確保難が最も大きいとされています。
さらに、状況悪化の理由としては、ほぼすべての国で「賃金・待遇面などの要求水準の高まり」が最多で、「他社との人材獲得競争の激化」も全体的に高い割合を占めています。
中南米での事業継続・拡大には、採用環境の厳しさを前提とした人材基盤づくりが求められていることが示されています。
画像引用:独立行政法人日本貿易振興機構
人材採用・定着に向けた取り組みとしては、中南米全体で「福利厚生、働きやすい労働環境の整備」を実施する企業が最も多く、具体例として食事補助、テレワーク、フレックス制度の採用が挙げられています。
あわせて、「給与面での待遇改善」を進める企業も多く、「人事評価制度の見直し」「従業員のスキルアップやキャリアアップ支援」も取り組みとして示されています。
一方で、メキシコやブラジルを中心に人件費の高騰に苦慮する企業も多く、定着施策の強化が人材確保とコスト負担の両面に関わるテーマになっている状況です。
中南米での事業拡大が進むなか、各国の収益環境とあわせて、現地組織を支える人材のマネジメント力や関係構築力が、これまで以上に求められそうです。
中南米における日系企業活動の経営状況、現地のビジネス環境の変化を把握し、日本企業の海外事業戦略立案や当該国のビジネス環境改善を促す提言などに資する情報提供を目的とする
中南米7カ国に進出する日系企業(日本側による直接、間接の出資比率が10%以上の企業)
2025年(令和7年) 8月20日~9月26日
745社に回答を依頼し420社から回答を得た。回答率は56.4%
配信元:独立行政法人日本貿易振興機構
公開日:2025/12
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