
海外展開「前向き」が6割超。人材確保と現地戦略がカギ
統計調査
グローバル人材育成ニュース
海外事業・人事戦略やグローバル人材育成に
参考となる統計調査をご紹介
企業の成長を支える人材の確保と定着は、多くの組織に共通する最重要課題です。
特に昨今では、人的資本開示の動きも加速し、育成・定着に向けた施策の強化が求められています。
本記事では、企業の人事担当者302名を対象に実施された調査結果をもとに、社員の離職防止をめぐる課題と、その対応に向けた人事の取り組みをご紹介します。
企業の人事部門が取り組みたいテーマとして最も多く挙がったのが、「人材育成・組織開発」でした。
画像引用:ALL DIFFERENT
グローバル展開も進める1001人以上の大企業では9割を超える人事担当者がこのテーマに関心を寄せており、規模にかかわらず人材戦略の中心的課題であることがわかります。
一方で、育成を推進するうえでの課題は企業の規模ごとに異なっており、100人以下や300人以下の企業では「育成に割ける時間の不足」や「育成推進メンバーのリソース不足」が主な障壁となっています。
対して、1000人規模を超える企業では「部署によって育成への意識や取り組みに差がある」が顕在化しており、組織横断的な制度設計や運用体制の確立が求められています。
離職防止に向けて人事が取り組みたい内容は、企業の規模によっても違いが明確に現れました。
中小企業では「育成制度の構築」「評価制度の見直し」が上位に挙がる一方、大企業では「上司・管理職への教育(ハラスメント対策など)」が最多となっています。
これは、組織構造が複雑化する中で、現場マネジメントの質が従業員のエンゲージメントや定着に直結することを示しており、管理職の人材育成スキルや組織マネジメント能力を高める重要性が高まっているといえます。
画像引用:ALL DIFFERENT
調査では、組織の成長と従業員の定着には「育成制度の強化」だけでなく、「採用」「評価」との連動性が求められていることも浮き彫りになりました。
とくにリソースが限られる中堅・中小企業においては、限られた時間と人員で最大の成果を上げるために、教育施策の優先順位を明確にし、効果の高い層からアプローチする必要があります。
また、制度設計を担う推進者のスキル向上や、経営戦略と育成方針の連動なども、大企業にとっては避けて通れない課題です。
今後の人事戦略・グローバル戦略を検討するうえでは、自社のリソースと組織特性を踏まえた上で、離職防止・人材育成・評価制度の一貫性をいかに構築できるかが問われる時代です。
グローバル企業としても持続的に成長するための人的資本戦略として、組織規模に応じた最適な打ち手を検討していく必要があります。
人と組織の課題
企業の人事責任者・担当者302人
2024年10月~2025年2月
インターネット
配信元:日本の人事部
公開日:2025/05/15
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