駐在中国語は“話す前”に差がつく──視覚情報でショートカットする学習設計
セミナー記事
グローバル人材育成ニュース
目次
「海外スタッフに、自分の考えや意図がうまく伝わらない」
「英語で指示やマネジメントをしているものの、なかなか相手が動いてくれない」
海外駐在やグローバルチームのマネジメントでは、こうしたコミュニケーション上の悩みが生じることがあります。
その際、「英語力が足りないから」「異文化に慣れていないから」と考えてしまいがちです。
しかし、河谷隆司氏は、これまで日本人駐在員や現地社員の育成に携わってきた経験から、日本人リーダーの思いが海外スタッフに響かない理由は、英語力だけではないと説明しています。
河谷氏が挙げる根本的な理由は、「自社流・自分流を語らない」「相手を人として知らない」「ボスとして慕われていない」の3点です。
では、グローバルリーダーには、どのような英語コミュニケーションが求められるのでしょうか。
本記事では、河谷氏による「海外スタッフとの1on1で使える グローバルリーダーの英語術」セミナーの内容をもとに、海外スタッフに思いを伝え、相手を動かすための英語コミュニケーションについてわかりやすく解説します。
海外スタッフと仕事をする際、「英語を流暢に話せること」が重要だと考える方は少なくありません。
しかし河谷氏は、グローバルリーダーに必要な英語とは、単なる語学力ではなく、自分の考えを持ち、それを言葉にして伝える力だと説明しています。
☑ 根拠・理由のある指示、相談、決定
具体的な内容
なぜその判断をするのか、どのような背景があるのか
海外スタッフとの関係における意味
相手が納得し、自分ごととして動きやすくなる
☑ 哲学、理念、ジレンマ
具体的な内容
市場、人口動態、SDGs、人生訓などを含む判断の軸
海外スタッフとの関係における意味
リーダーの考え方や価値観が伝わる
☑ 実績、失敗と教訓、学習能力
具体的な内容
挑戦や試練から得た学び、柔軟性、洞察力、復元力
海外スタッフとの関係における意味
単なる指示ではなく、経験に基づく言葉として響く
☑ 自社へのプライド・愛着
具体的な内容
自社のレジェンド、The Japanese Way
海外スタッフとの関係における意味
会社や仕事に対する思いを、ストーリーとして共有できる
つまり、グローバルリーダーに求められるのは、単に「正しい英語」を話すことではありません。
自分自身や自社についての考えを持ち、それを相手に伝わる形で言語化することが重要になります。
海外スタッフとのコミュニケーションでは、「きちんと説明しているのに、なぜか意図が伝わらない」ということがあります。
河谷氏は、日本人リーダーの思いが部下に響かない根本的な理由として、次の3つを挙げています。
☑ 自社流・自分流を語らない
起こりやすいこと
海外スタッフから見て、リーダーの判断基準が分かりにくくなる
1on1で意識したいこと
自社が大切にしていること、自分が仕事で重視していることを言葉にする
☑ 相手を人として知らない
起こりやすいこと
業務上の役割だけで相手を見てしまい、本音や価値観に触れられない
1on1で意識したいこと
相手が仕事をどう捉えているのか、どのような価値観を持っているのかを知る
☑ ボスとして慕われていない
起こりやすいこと
正確に説明しても、相手の行動につながりにくい
1on1で意識したいこと
「何を言うか」だけでなく、「誰が言うか」という信頼関係を築く
結論や数値だけでは、相手には響きにくいものです。
なぜそう判断するのか、なぜその仕事に意味があるのかという背景まで伝えることが、リーダーとしての発信につながります。
河谷氏は、グローバルリーダーの英語力を構成する要素として、次の3つを挙げています。
☑ メッセージを語る
内容
自身・自社・日本について伝える
1on1・マネジメントでの意味
リーダー自身の考えや判断基準を示す
☑ 他者の意味を聴く
内容
自身の先入観を疑う
1on1・マネジメントでの意味
相手の言葉の背景にある意味を掘り下げる
☑ シナジーを創り出す
内容
議論する
1on1・マネジメントでの意味
一方的な指示ではなく、対話・議論から意思決定につなげる
一方的に自分の考えを伝えるだけではなく、相手の意見を聴き、対話し、議論を通じて意思決定につなげる。
これが、グローバルリーダーに求められるコミュニケーションの一つの形といえます。
☑ Plant a Flag
旗を掲げる
意味
自分が目指す方向や考えを明確に示す
1on1での活かし方
チームとしてどこへ向かうのか、何を重視するのかを伝える
☑ Honest Conversation
正直な会話
意味
相手の価値を信じ、自己の弱みやジレンマも含めて情報を共有する
1on1での活かし方
一方的に指示するのではなく、率直に向き合う
☑ Be wrong
心にユーモアを
意味
自分の間違いを認め、自分自身の失敗を笑える余裕を持つ
1on1での活かし方
完璧な上司として振る舞うのではなく、学び続ける姿勢を見せる
「旗を掲げる(Plant a Flag)」とは、自分が目指す方向や考えを明確に示すことです。
リーダーが何を目指しているのかが分からなければ、メンバーは同じ方向を向いて行動することが難しくなります。
河谷氏は「正直な会話(Honest Conversation)」を、相手の価値を信じることや、自己の弱み・ジレンマ・他者への率直さを含む情報共有と結びつけて説明しています。
そして河谷氏は「心にユーモアを」を、Be wrong. Laugh at your own mistakes. という言葉とともに紹介しています。
河谷氏は、グローバルリーダーの言葉を、まだ言葉にされていない相手の意図や、実際にはまだ耳に届いていない「見えないもの」を掬い上げていく力だと説明しています。
「シャイに見える」という行動には「熟考し、最適なタイミングを待っている」という背景が、「リーダーシップが見えないように見える」という行動には「目立ちすぎるリーダーシップはかえって周囲の参加を妨げる、という考え方」が、それぞれ理由として整理されていると説明しています。
また「報連相」については、情報が一部のエリートに集中するのではなく、組織のメンバー全員が同時に情報の中心にいられる仕組みだとし、アライメント(つながり)とシナジー(相乗効果)を組織にもたらす「自律型組織」の考え方として海外スタッフにも紹介できると説明しています。
さらに、博多駅前で発生した道路陥没事故を、業者が事前に集まって準備したうえでわずか5日間で復旧させた事例の映像を見せ、「あなたの国で同じことが起きたら、何日で直せますか」と問いかけることで、単なる復旧スピードの速さではなく、その背景にあるチームワークや仕事観についてのディスカッションを生み出せると紹介しています。
単なる制度や出来事の説明にとどめず、その背景にある考え方まで言語化することが、海外スタッフとの対話につながるといいます。
河谷氏は、実際の1on1や会議の場面を想定した英語表現も紹介しています。
| Before | How are you doing? Are you happy with your work? |
| After | How are you doing, John? Would you like to tell me something about your work? |
| 違い | 単なる近況確認ではなく、仕事について話したいことがあれば聞くという余白をつくる |
相手の顔色が暗い、仕事への不満の兆候があるといった場面では、もう少し真面目な雑談として踏み込む聞き方が有効だと河谷氏は説明しています。
| Before | One fair solution is… What do you think? |
| After | One solution might be… Do you think that’s fair? |
| 違い | 「これが公平な解決策だ」と断定せず、「一つの解決策かもしれない」と提示し、フェアかどうかの判断を相手に委ねる |
河谷氏は、この表現について、フェアネスの判断基準をボスではなく相手に預ける点が重要だと説明しています。
重要な話を長時間しているものの、課題の核心に触れられていない。
そんな場面で、参加者に本質へ目を向けてもらうにはどうするか。
| Before | Did we forget the most important thing? |
| After | Have we discussed what matters most? |
| 違い | 直接的に「忘れたのか」と指摘するのではなく、「最も重要なことを議論できているだろうか」と問いかけ、参加者自身に考える余白を残す |
「Have we discussed what matters most?」は、「最も重要なことについて、私たちは議論できているだろうか?」と問いかける表現です。
単に「もっと本質的な話をしましょう」と指示するのではなく、問いかけによって参加者自身に考えてもらう点がポイントだと河谷氏は説明しています。
海外スタッフとのコミュニケーションでは、英語を正確に話すことだけが重要なのではありません。
河谷氏は、グローバルリーダーに必要な要素として、自分の考えを持って伝えること、相手を理解すること、そして対話を通じてシナジーを生み出すことを強調しています。
☑ 自社流・自分流を語る
具体的に意識したいこと
自社や自分の判断基準、仕事への思いを言葉にする
☑ 相手を人として知る
具体的に意識したいこと
業務上の役割だけでなく、相手の価値観や仕事観を理解する
☑ 信頼されるリーダーになる
具体的に意識したいこと
「何を言うか」だけでなく、「誰が言うか」という関係性を築く
☑ 自分のメッセージを明確に伝える
具体的に意識したいこと
根拠・理由・背景を含めて伝える
☑ 相手の意見を聴く
具体的に意識したいこと
自分の先入観を疑い、相手の意味を掘り下げる
☑ 対話・議論を通じて意思決定につなげる
具体的に意識したいこと
Dialogue、Discussion、Debateを経てDecisionへつなげる
つまり、グローバルリーダーの英語とは、単なる「英会話」ではなく、人を動かし、対話を生み、仕事を前に進めるためのコミュニケーションと捉えることができます。
「海外スタッフとの1on1で、具体的にどんな言葉をかければいいのか」
「英語力に自信がなくても、部下から信頼されるリーダーになるには何が必要か」
こうした疑問をより深く理解したい方へ、河谷隆司氏のセミナーアーカイブ動画をおすすめします。
「海外スタッフとの1on1で使えるグローバルリーダーの英語術」アーカイブ動画では、
などが、より具体的・体系的に解説されています。
👉 セミナーアーカイブを見る
\ 語学力の準備も、最短距離で /
海外駐在員特化型語学プログラム『INSIGHT ACADEMY 語学』は、
26言語・162ヵ国に対応した1on1のプライベートオンラインレッスンです。
3,000人以上の海外駐在専門講師の中から、赴任先・学習目標に合わせ、最適な講師が実践的な語学力を効率的にサポートします。赴任前の不安解消から、海外現地業務準備までを支援します。
現在、海外駐在予定・駐在中の方向けに無料トライアルを実施中です。