海外経験を重ねたベテランも学び直し。Eラーニングで対話のズレを整理し、本社と現地を繋ぐ推進力を磨いた
積水ハウス株式会社の北米事業会社で投資管理を担い、本社と現地をつなぐ立場で活躍する金綱昌宏さま。オーストラリア駐在や国内の大型開発案件など、長年にわたり海外事業・国際案件に携わってきました。豊富な海外経験を持ちながらも、アメリカへの赴任にあたって会社の必修科目としてINSIGHT ACADEMYのEラーニングを受講。今回のインタビューでは、受講のきっかけや受講前に感じていた課題、講座を通じて得た気づきに加え、グローバル人財として大切にしている考え方や今後の抱負について伺いました。
この事例をPDFでダウンロード- 役職
- Vice President, Investment Management
- 駐在経験有無
- あり
- 駐在国
- オーストラリア、アメリカ合衆国
- 現地法人名
- NORTH AMERICA SEKISUI HOUSE, LLC
- 業種
- 建設業(住宅メーカー)
- 創立
- 1960年
- グローバル拠点
- 3ヵ国
- 従業員数
- 14,178人(単体)、32,186人(海外含む連結)※2026年1月31日現在
- ウェブサイト
- https://www.sekisuihouse.co.jp/
- 受講プログラム
- Eラーニング
- 海外駐在員
- 海外駐在前
- 海外部門
- プール人材
- 国内社員全般
受講前の状況や感じていた課題
● 海外赴任にあたり、会社の必修科目として本Eラーニングを受講
● 赴任後の多忙な時期を見据え、赴任前の限られた時間で集中的に学習を進めた
● 赴任先組織の現状を早期に把握し、本社との情報共有・連携を深めたいという課題意識を持っていた
Eラーニングで特に印象に残った点
● 過去の海外経験で感じていた「コミュニケーションのズレ」の原因が、事例を通じてクリアに整理された
● 講師の実体験に基づく具体的なエピソードが多く、単なる一般論にとどまらない実践的な内容だった
● 若手赴任者が現地で直面するリアルな課題を、渡航前に疑似体験・把握するうえで非常に有効だと感じた
受講を通じて得られた気づき
● これまでの海外経験を客観的に振り返り、改めて知識をアップデートする貴重な機会となった
● 単なる英語力の向上以上に、「意図を正しく伝えてプロジェクトを推進する力」の重要性を再認識した
● 現地スタッフとの関わり方や、本社と海外拠点における理想的な連携のあり方を体系的に学ぶことができた
投資管理を軸に、現地プロジェクト全体を把握し推進する立場を担っている
現在のご担当業務について教えてください。
現在は、積水ハウス株式会社のアメリカ現地法人であるNORTH AMERICA SEKISUI HOUSE, LLCでVice President, Investment Managementを務めています。
担当しているのは投資の管理だけではなく、プロジェクトの進捗から資金面までを含めて全体を把握し、本社とも連携しながら進めていく役割です。現地の開発部門やアセットマネジメント部門とも関わりながら、必要な情報を主体的に集約し、関係者を巻き込みながら全体を前に進めていく役割を担っています。
会社全体をマネジメントする立場ではありませんが、自分が担当するマルチファミリー領域については責任を持って取り組んでいます。
また、海外事業には長く関わっており、前職でも海外関連業務を長く担当してきました。

海外赴任にあたって会社の必須科目として受講し、赴任前の限られた時間の中で計画的に学んだ
INSIGHT ACADEMYのEラーニングを受講されたきっかけを教えてください。
受講の直接のきっかけは、海外赴任にあたって会社から必修として案内があったことです。必須コース*1を、赴任後の所定期限までに受講する運用でした。ただ、赴任後は家族のサポートや住居、免許、ソーシャルセキュリティーなどの手続きで忙しくなることが分かっていたので、私は赴任直前に一通り受講しました。
前職でのオーストラリア赴任時にはこうした研修はなく、ほぼ準備なしで現地に入った感覚でした。今回は、Eラーニングの中で当時経験した会話のズレや異文化対応について、事例として整理された内容を通じて振り返ることができ、復習や学び直しにもつながったと感じています。
*1 必須コース・推奨コースとは:学習目標の設定・視聴コース選択時の指針を目的に、受講者様のセグメント/受講期間に応じて、15~40講座程度の「受講者必須コース」「受講者推奨コース」をそれぞれ作成・提案し、効率的に学習を進められるよう支援いたします。受講者のINPUTやOUTPUTの量/質向上を通じて、受講者の行動変容、ひいては貴社への業績貢献を目指しています。
現地組織の可視化に課題を感じるなかで、赴任前に必要な視点を学び直せた
海外赴任や海外事業に関して、受講前に感じていた課題や不安はありましたか?
私自身については、英語でのコミュニケーションや業務そのものは、これまでの経験の延長で何とかなるだろうという感覚がありました。実際、前回の駐在後も国内で英語を使う場面は多く、合弁契約やホテルマネジメント契約などで英語のドキュメントにも継続的に触れていたからです。
その一方で、業務面では、赴任先の会社の状況が本社から見えにくく、情報共有や実態の把握が十分ではないと感じていた点を課題として捉えていました。そこには赴任前から問題意識を持っており、現地ではしっかり踏み込んでいこうと考えていました。
そうしたなかで、講座を通じて、異文化のなかで生じるコミュニケーションのズレや、赴任後に起こりやすい変化を事例として整理して理解できたことは、赴任前の準備として役立ちました。加えて、日系企業の日本人駐在員として英語とどう向き合うべきか、本社が海外事業にどう関わるべきか、さらに現地人材のマネジメントにあたってどのような心構えを持つべきかといった点を、あらためて整理しながら学ぶことができました。
私自身にとっては、これまでの経験を振り返りながら復習し、学び直す良い機会になったと感じています。赴任前には見えにくかったことをあらかじめ言葉として理解しておける点は、現地での業務や周囲との関わり方を考えるうえでも参考になりましたし、これから初めて赴任する方にとっては、事前に心構えを持つうえでより有効な内容だと感じました。
異文化理解やコミュニケーションの重要性に加え、意図を正しく伝えることなど、実務で大切な視点を学べる点が印象に残った
講座コンテンツについてのご感想を教えてください。
コンテンツ全体としては、異文化理解やコミュニケーションの重要性*2が繰り返し語られていて、その点が軸になっていると感じました。
なかでも印象に残ったのは、篠崎先生*3の「(英語など)出来ない事は出来ないと言って開き直り、別の方法を見つける」という趣旨の話です。日系企業の駐在員として本当に大事なのは、ネイティブのように話すことではなく、オンラインツールや通訳も使いながら、意図を正しく伝えてプロジェクトを進めることだというメッセージには、あらためて肩の荷が下りる感覚がありました。私自身、以前はどうしても英語を上手に話すことに意識が向きがちだったので、本来の目的はプロジェクトを前に進めることだと捉え直すきっかけにもなりました。日系企業の日本人駐在員として求められる英語への向き合い方を整理して理解できたことや、自分の言葉に正直になって伝えることの重要性をあらためて認識できたことは、大きな学びだったと感じています。外国人材とのコミュニケーションについても、曖昧な表現ではなく、明確に具体的に伝えることの大切さを再認識しました。
また、トランジション・マネジメント*4のように、赴任後に直面する変化を捉える内容にも共感がありました。加えて、藤田先生*5の話は特に印象的で、赴任者個人だけでなく、本社と海外子会社、海外事業部の関係性まで視野に入っていた点が強く心に残っています。国別駐在員研修シリーズ*6アメリカ編についても、アメリカを全体像として理解するうえで参考になりました。
さらに、海外事業に対する日本本社側の組織的な関与の仕方や、現地人材マネジメントにおいて採用だけでなく退職の場面も含めてどのような心構えが必要かを学べたことも印象に残っています。自らがリーダーとして、心理的安全性を土台に健全なコミュニケーションが取れる環境づくりを意識したいと感じた点も、受講を通じて得られた気づきの一つです。
講師の話が一般論ではなく、実際の経験に基づいた内容として伝わってくるところも、INSIGHT ACADEMY Eラーニングの特徴だと思います。
*2 異文化マネジメントシリーズ:異文化マネジメントに関する学識者や海外ビジネスの専門家から厳選した講師陣が、多様な文化背景を持つメンバーと信頼関係を築き協働するマネジメント力を身に付けるためのポイントを体系的にわかりやすく解説いたします。
*3 『グローバル人材に求められる、合目的な「外国語対応」』:日本人が外国語習得に苦戦する本質的な理由(音の蓄積量・言語の優先周波数)を踏まえ、「語学力は目的ではない」という視点を提示します。世界で成果を出すためには、語学力に加え、翻訳・通訳の活用など適切な手段を選ぶ力が重要であることを解説します。海外業務に関わる方や、語学への苦手意識から挑戦を諦めている方におすすめの講座です。
*4 『異文化へのトランジション・マネジメント』:異文化適応の過程(トランジション)を「ユーフォリア期」「カルチャーショック期~回復期」「適応期」「逆カルチャーショック期」の4段階で理解し、想定される心理状態や課題を事前に把握します。また「自己・他者との対話」を軸に、各フェーズを乗り越える具体的な方法を学びます。駐在員本人だけでなく、送り出す側の人事・海外事業部にも有用な内容です。
*5 『海外事業成功のコツ』:海外事業で高収益を実現するキーエンスの実例をもとに、30年以上にわたり世界各地で事業を立ち上げてきた講師が成功のポイントを解説します。不確実性の高い海外展開では、「本社の分身を現地に作る」視点で成功体験を見える化・仕組み化し、現地と一体となった持続成長を実現することが重要です。現地任せにせず統制を効かせる実践手法を学びます。駐在員だけでなく、本社と現地の連携強化を担う海外事業部にも有用な内容です。
*6 国別駐在員研修シリーズ:海外赴任予定者や赴任直後の方向けに、赴任先の国民性・商習慣・就業意識を日本との違いから学び、現地社員と信頼関係を築いて成果を出すための実践的な研修です。前半では日本人が陥りやすい失敗例を含めて現地理解を深め、後半では講師の実体験をもとに信頼構築の具体策を学べます。赴任前の準備にも、赴任後の関係改善にも役立つシリーズです。

国内と海外のどちらかに偏るのではなく、両方の視点を持ちながら本来の目的を理解して経験を積むことが重要
グローバル人材として活躍するために、どのような要素や姿勢が重要だとお考えですか?
グローバル人材として大事なのは、国内だけ、あるいは海外だけに偏らず、両方の視点を持つことだと思っています。海外での経験はもちろん大切ですが、海外に偏りすぎると本社のビッグピクチャーが見えにくくなることがありますし、逆に国内だけでは、現地のプロジェクトを知り、海外でプロジェクトを回す難しさや醍醐味を実感することは難しいと思います。だからこそ、どちらか一方に偏るのではなく、両方を理解しながら経験を積んでいくことが重要です。
そのうえで大切なのは、目の前の業務だけにとどまらず、本来何のためにその仕事をしているのかという目的を見失わないことだと感じています。海外では、相手に合わせたコミュニケーションや合意形成がより強く求められる場面が多く、私自身も海外のJVパートナーと連携しながら、会社の価値を高めていくことが重要だと考えています。
また、若いうちに海外で良い意味でストレスのかかる経験を積むことも大切だと思います。海外赴任は決して楽なことばかりではありませんが、現地のプロジェクトを知り、海外で物事を動かす難しさや面白さを実感できる貴重な機会でもあります。そうした経験を重ねることが、将来的により大きな役割を担っていく土台にもなるのではないかと思います。
そうした意味でも、INSIGHT ACADEMYで異文化理解やコミュニケーションの大切さを事前に学んでおくことは、これから海外で経験を積む人にとって有効だと感じます。赴任してから初めて気づくことも多いと思いますが、あらかじめ違いや変化を知っておくことで、現地で起こることをより落ち着いて受け止めやすくなるのではないかと思います。
海外でもしっかり価値を生み出せる会社づくりに貢献し、次世代へバトンをつなぎたい
今後の抱負や目指していることを教えてください。
今後は、国内と海外の両方で積んできた経験を生かしながら、海外のJVパートナーとの合意形成を通じて当社の価値を高めていきたいと考えています。これまで海外案件だけでなく国内のプロジェクトにも携わってきたからこそ、それぞれの立場や考え方を踏まえながら、会社としてより良い形をつくっていく役割を果たしていきたいと思っています。
そのうえで、当社を海外でも着実に成果を生み出せる会社にしていきたいという思いがあります。積水ハウスは海外事業のプレゼンスが高まってきている一方で、今後はさらに、国内と海外の双方で強みを発揮できる企業体にしていくことが重要だと感じています。
そのなかで、自分がバトンを預かる期間には、会社をより強い形にして次の世代へつないでいく役割を担いたいです。今の経営陣から受け取るものをしっかり引き継ぎながら、自分の世代でも会社の価値を高め、また次の世代へバトンを渡していく。そうした流れの一端を担っていきたいと考えています。

海外赴任を良い経験の場と捉え、若いうちから幅広く経験を積んでほしい
これからINSIGHT ACADEMY Eラーニングを受講する方や後輩の皆様へ、メッセージをお願いします。
これからINSIGHT ACADEMYを受講する方や後輩の皆さんには、先述したように、国内だけ、あるいは海外だけに偏るのではなく、両方の視点を持ちながら経験を積んでいってほしいと思います。海外赴任は大変なこともありますが、現地のプロジェクトを知り、海外で仕事を進める難しさや醍醐味を学べる貴重な経験の場でもあります。若いうちからそうした経験に前向きに挑戦し、将来につながる視野や力を身につけていってほしいです。
良い意味で負荷のかかる経験を重ねることが、国内外の両方を理解できる人材として成長していくことにもつながるのではないかと思います。海外は良い経験の場になりますので、ぜひ前向きに挑戦してください!
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